首相が「2025年までの国家DXプログラムと2030年までの方向」を承認してから2年間、ベトナムのDX事業は様々な成果を収め、DXの重要性に関する国家機関や、企業、国民の認識が一段と高まっています。現在、デジタル技術は全国の各地方や、機関、省庁、企業で幅広く使用され、全社会の生活・活動に深く溶け込んでいます。情報通信省所属の情報技術局のド・コン・アイン局長は次のように述べています。

（テープ） 

「DXは全国規模で全面的に実施する必要があります。DXは技術・設備だけでなく、各機関の認識、政策、能力などの面でも実現しなければなりません。DXの成功には技術が20％、残りの80％はDXを進める機関の認識と能力によるものといえます。つまり、DXのためには全社会の参加が必要とされます」

グエン・フイ・ズン情報通信次官＝Thảo Anh

以上、お話ししましたように、この2年間、ベトナムのDX事業は様々な成果を収めていますが、この取り組みには情報通信省がけん引役を果たしています。この3年間、情報通信省は絶え間ず、デジタル企業の潜在力を発揮するための効果的な方策を模索しています。「メーク・イン・ベトナム」デジタル技術賞や、「ベトソリューション」コンクールなどを通じて、各企業に新たなモチベーションを作り出しています。

去る7月に行われた「ベトソリューション2022」をスタートする式典で、グエン・フイ・ズン情報通信次官は、「デジタル企業は国の問題を効果的に解決するための能力が十分あるという自信をもって、DX市場に迅速に進出する必要がある」と強調し、次のように語りました。

（テープ）

「1つの正しいソリューションはある国の地位を高めることができます。DXは全国民あげての事業であり、全国民の参加と努力によってはじめて成功するのです。ベトナム企業は数が多く、能力が高いです。ベトナム企業の夢は技術を生活に深く浸透させることです。こうした中、『ベトソリューション』コンクールは企業に多大なチャンスをもたらしています。これにより、企業と顧客との間の距離が縮小されます。企業がこのコンクールに積極的に参加するよう希望しています」

国家デジタルトランスフォーメーション委員会の第2回会合の様子＝VOV

専門家によりますと、国のDXプロセスにおいて、ベトナム企業は国内市場と消費者の需要に関する深い理解や、優れた人材、創造性など多くのメリットがあります。したがって、発展の余地が大きいとしています。

特に、「DXを国の迅速かつ持続可能な開発、および新型コロナウイルス感染症収束後の経済回復・発展と結び付けて進める」という政府の路線は企業にとって好ましい条件を作り出しています。これに関し、今年4月に行われた国家デジタルトランスフォーメーション委員会の第2回会合で、ファム・ミン・チン首相は次のように強調しました。

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「鋭い思想と戦略的ビジョンで進める必要があります。また、現状に見合うやり方も重要な要素です。今後も、体制完備や、技術刷新、人材育成、管理能力の向上などに力を入れていきます。DXにおけるPPP＝官民連携方式による投資を促進する必要があります。同時に、国民と企業の認識向上を目指す宣伝啓蒙活動や、データベースづくり、国際協力などを促進していかなければなりません。さらに、各地方が国際協力を強化するために支援していきます。」

このように語ったチン首相は各省庁・地方・機関に対し、デジタル経済とデジタル社会構築を目指し、関連計画とプログラムを早期に展開するよう要請しました。これはあらゆる分野でのDXの促進や、競争力の向上などに役立つとしています。

ベトナムは毎年10月10日を「国家デジタルトランスフォーメーションデー」に定めました。これは、国家DX戦略の実施を加速させることや、DXに関わる全社会の認識を向上させていくこと、DX事業への全国民の参加を促進していくことを目指しています。これまでの成果や、政治システム全体の決意・努力、全国民の参加、国際社会の支持・支援などが複合的に作用することにより、ベトナムのDX事業の成功がもたらされると期待されています。