(VOVWORLD) -半導体産業は、世界経済にとって重要な役割を果たしています。2023年の世界半導体市場規模は、5200億米ドルを超えており、急増する傾向があると予測されています。
2030年までの科学技術イノベーション開発戦略は、2030年までに半導体産業の年間売上高を約250億ドル(約3兆5900億円)とする目標を掲げ、向こう 10 年間にマイクロコントローラーと半導体部品の製造技術をコア技術として発展させる方針です。この目標を現実化させるとともに、世界の半導体マップに現れるためには、ベトナムは、2030年までに現在の10倍に当たる少なくとも5万人のエンジニアを必要としています。ですので、半導体産業の人材開発は最優先課題であるとされています。
半導体産業は、世界経済にとって重要な役割を果たしています。2023年の世界半導体市場規模は、5200億米ドルを超えており、急増する傾向があると予測されています。
ベトナムは、半導体産業のエコシステムを発展させるための多くの機会と必要な要素を備え、世界の半導体サプライチェーンにおける地位を高める可能性がある国とみなされています。
去る9月、政府は、「2050年を見据えた2030年までのベトナム半導体産業人材開発プログラム」を批准しました。労働傷病兵社会事業省の代表者ダオ・チョン・ド氏は次のように明らかにしました。
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「政府は、北部、中部、南部にそれぞれの半導体設計研究センターを設立する方針です。続いて、これらの場所で、国内の需要に対応する一方、地域と国際基準を満たすような人材を育成できる46校の大学を建設する計画です」
現在、ベトナムでは、およそ5000人のエンジニアを擁する約50社の企業が半導体チップ設計分野で活躍しています。その大多数は、アメリカ、韓国、日本、台湾(中国)、オランダなどの外資系企業です。Viettel、 FPT、VNChipなどの国内企業は半導体市場に進出し始めました。2024年、ベトナムの半導体産業の売上高は61億6000万米ドルを超える見込みです。しかし、ベトナムの企業は半導体の製造工程をすべて一貫して行うためには、政府からの支援を受ける傍ら、人材の育成を急いでいます。具体的には、大学と企業は、連携し合って高度技能人材を育成するということです。
ティン学長 |
カントー大学のチャン・チュン・ティン学長は次のように明らかにしました。
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「私たちは、IT企業の需要に対応できる人材を育成するコースを実施するために、その企業と連携する用意があります。この育成コースに参加する学生は、学校のカリキュラム、および企業のプログラムを同時に勉強します。卒業後、彼らは、企業での業務を担当することになります」
計画投資省所属国家イノベーションセンターは、常時IT人材育成コースを実施しています。毎年、平均500人ないし600人の半導体チップ産業のエンジニアを育成し、優秀な学生には奨学金を支給しています。これらの育成コースは、半導体チップ設計の人材育成に向けた努力を示すのみならず、ベトナム人がテクノロジーを徐々にマスターする過程の重要な前進でもあると高く評価されています。
ベトナムQorvo社のチン・カック・フェ総裁は次のように語っています。
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「IT人材の育成コースは、企業の実際のニーズに応じたものです。従って、技術者は、卒業後、国内の半導体産業に従事することが出来ます」
世界一流のITグループの需要に対応できる高度IT人材を育成するとともに、国内の半導体産業の発展に貢献するためには国際協力が不可欠だと主張されています。ダナン大学傘下の越韓情報通信技術大学のチャン・テ・ソン学長は次のように明らかにしました。
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「人材育成にとって国際協力は必要不可欠な存在です。これを通して、我々は、先進技術や、優秀なITエンジニアに接近することが出来るからです。IT分野の人材育成コースに対する政府、および地方行政当局の支援政策のほかにも、私たちは、学生に学費の一部を支援したり、有利な学習環境を整えています。」
多くの専門家によりますと、ベトナムには、科学・技術・工学・芸術・数学(STEAM)の学問分野で育成された数多くの優秀な人材がいます。これは、半導体チップの設計と製造に繋がる基本的な要素であると認定されています。
ベトナムは、2030年までに半導体回路の設計・パッケージング・テストを中心とする質の高い労働力を育成し、2050年までに強力な労働力を擁し、世界の半導体産業のバリューチェーンに参画することを目指しています。