(VOVWORLD) -スマート農業とは、従来の農作業をICT=情報通信技術やIoT=モノのインターネット、ロボット技術、さらにはAI=人工知能などを駆使することで自動化・省力化する農業の一手法のことです。農業にICTなどを取り入れ、これまで農作業にかかってきた労力やコストを減らすことで、生産性と製品の質的向上、環境保全などを目指すことが可能になります。
写真提供:Đỗ Tâm
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ベトナムにおけるスマート農業は、10年前から始まりました。ハノイ市は、全国各地に先駆けて、スマート農業の構築と開発を行った地方となっています。
ところで、スマート農業とは、従来の農作業をICT=情報通信技術やIoT=モノのインターネット、ロボット技術、さらにはAI=人工知能などを駆使することで自動化する農業の一手法のことです。農業にICTなどを取り入れ、これまで農作業にかかってきた労力やコストを減らすことで、生産性と製品の質的向上、環境保全などを目指すことが可能になります。
現在、ハノイ市内には、およそ164箇所でスマート農業生産モデルを導入しています。例えば、栽培では、湿度や温度、日照時間の自動制御、害虫の自動判別システムを整備するビニールハウス、農薬や肥料の散布ができる農業用ドローンを使うことや、畜産では、人工授精を適用することなどです。
ハノイ市農業農村開発局のタ・バン・トウオン副局長は次のように語りました。
(テープ)
「ハノイ市は、植物のタネを生産するメリットがあることから、全国の種子生産中心地となっています。少ない土地資源を使用していますが、高品質のタネを全国に提供しています。」
ハノイ市の農業部門は、スマート農業の開発における農業の企画が重要な役割を果たすと認識しています。
ベトナムの都市開発企画協会のド・ハウ副会長兼理事長は次のように語りました。
(テープ)
「ハノイ市の農業は、首都圏の社会経済発展事業における重要な役割を果たすだけでなく、全国の都市近郊農業開発のモデルとなっています。そこで、今後の都市化過程におけるエコ都市農業とグリーン都市の方向に沿った都市近郊農業の開発への投資は非常に重要です。」
ハノイ市の農業には、ベトナムの全ての都市が持っているわけではない独自性があります。というのは都市近郊の農業用地は広く、市内の需要に十分に応えられる農産物を生産できます。その一方で、他の都市では、都市近郊の農業用地が狭いので、農産物を他の地方から購入しなければならないのです。
ベトナム農業科学研究所のダオ・テ・アン副所長は次のように語りました。
(テープ)
「ハノイ市は、都市農業開発に関する投資プロジェクトを作成することができます。近日中に、ハノイ市近郊の5つの県は、区に格上げされます。そこで、これらの地域の農業は重要な役割を持っています。農業用地が少ない場合、スマート農業を導入する仕方がありません。」
さて、2021年3月17日にハノイ市党委員会は、2021年~2025年期の新農村作り国家目標プログラムの効果的な展開と、農業部門の再構築、農村経済発展、農民の物心両面での生活向上を両立させて推進するというプログラム4号を発布しました。これに基づき、2025年までに、ハノイ市では、ハイテク農業製品の割合は7割に達すると見込まれます。これまでに、幾つかの農業発展プロジェクトが実施され、功を奏しています。例えば、ミードック県でのキノコ生産、ダンフォン県でのランの花栽培、ホアイドック県での無農薬野菜栽培などです。
一方、ハノイ市行政当局は、ハイテク農業への投資の誘致・奨励政策を実現しています。気候変動に適応するスマート農業開発を目指して、都市近郊に農業生産へのハイテク技術導入を促しています。