(VOVWORLD) -南部ソクチャン省チャウタイン県フータン村の竹細工はずっと昔から、伝統的な職業としてだけでなく、地元に住む少数民族クメール族のユニークな文化の一つとして知られています。この職業に従事する多くの家庭は生活が困窮した状態から抜け出すことができました。
竹、笹、籐などの原料だけでも、フータン村の村民は、手先の器用さで、ザル、カゴ、ビクなど多種多様な日用品、および美術手工芸品などをつくりだします。竹細工職人は一日平均1個ないし6個の大小の製品を編むことが出来ます。この仕事は手間がかからず、女性あるいは高齢者に適しています。
ある職人は次のように明らかにしました。
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「竹細工は先祖代々から伝わる職業です。我が家は、母方のお爺さんの時代から、次は父、そして私の時代の3世代にわたってこの仕事をしています。フータン村は竹細工で有名な地方として知られています。竹細工の製品を販売することにより、安定した生活が送られています。この職業を子孫に伝えたいです」
現在、村民による竹細工グループ、竹細工協同組合を設立し、メンバーに原料を提供して、竹細工製品を買い付け、国内市場に出荷するだけでなく、外国にも輸出しています。
「ダットフォンナム」竹細工協同組合のグエン・バン・フィン会長は次のように明らかにしました。
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「私たちは、南部の農民、漁民にとって馴染んだ品物であるザル、カゴ、漁獲用具などのミニチュア製品を観光土産として作っています。竹細工の小物は巧みに作られているので、人気があり、高い価格で販売されています」
チャウタイン県行政府は、竹細工協同組合の設立を補助しました。多くの組合員は、安定した収入を得られるほか、低金利の融資を受けて、原材料や設備、機械を購入しました。さらに、行政府は、生産、保管への科学技術導入の訓練コースを実施したり、国内各地にある有名な竹細工村への訪問、見本市への参加などを行っています。
チャウタイン県人民委員会のグエン・バン・ミ―副委員長は次のように明らかにしました。
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「私たちは、住民たちに、この伝統職業の維持、発揮のために尽力するよう宣伝しました。同時に、若い世代への竹細工の訓練に補助をしたり、国内各地での見本市に竹細工製品を出展して、PRしたりしています」
現在、フータン村の竹細工製品は国内各地に出まわっているだけでなく、多くの国にも輸出されるようになっています。フィン会長はさらに次のように語っています。
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「私たちは、国内のある会社の注文を受けて、日本、中国、カナダ、タイ向けの輸出用竹製品を造っています。観光土産のほか、レストランやホテルなどの室内装飾品などがもっとも顧客に好まれています」
フータン村の住民たちは、伝統職業の維持、発展に尽力しており、地元の経済発展に貢献しています。