(VOVWORLD) -首都ハノイから南へ70キロ離れた所にあるハーナム(HaNam)省タンリエム(ThanhLiem)県ダム(Dam)村は、他の村と同様に、村人が主に農業生産で生計を立てています。しかし、この村は、バインチュン作りという職業で知られています。
ダム(Dam)村にある教会 |
バインチュンというのは、日本の「チマキ」のようなものですが、こちらのものは大きくて15センチから20センチぐらいの正方形で、もち米の中に緑豆、豚肉を入れて、これをラーゾンというバナナの葉に似た緑の葉っぱで巻き、10時間ほど茹でた食べ物です。これはベトナムの旧正月テトの定番料理の一つとなっていま
す。
この職業がいつ頃から始まったのかよく分りませんが、村人の高齢者の話によりますと、当初、村人は、自分の家族と村の中にある家庭の為に、バインチュンを作ったそうです。それから、バインチュン作りはダム村の主要な職業になりつつあったのです。現在、ベトナム北部には、5カ所の有名なバインチュン作りの村があります。
今日まで、バインチュンは、テト限定ではなく、毎月の旧暦1日と15日にもお供え物として、または、普通の日でも使用されるようになっています。ダム村に住むバインチュン作り職人の話です。
(テープ)
「バインチュンの美味しさは、もち米、緑豆、豚肉などの原材料によって左右されますね。主原料であるもち米は『ネップ・カイ・ホア・バン』という種類を使ったバインチュンは茹でた後、香りが良く、柔らかい食感が特徴です。また、皮のない上質の緑豆は、鮮明な黄色いでなければならないものです。そして豚肉はバラ肉で、鮮度が高くなければなりません。茹で時間はおよそ10時間ぐらいです。」
その他、ダム村のバインチュンは、雨水で茹でたものです。また、鍋はステンレス製でなければなりません。それらの要素は秘訣として美味しいバインチュンを定めるようです。
長年にわたって、バインチュン作りに携わっている職人の話です。
(テープ)
「バインチュン作りの基本的な方法は、他の地方とほぼ同じです。しかし、美味しいバインチュンを作るためには、緑豆の茹で方が重要ですね。緑豆はご飯の炊き方と全く同じです。また、雨水で茹で込んだバインチュンは、一層美味しくて長持ちします。」
他方、ダム村の村人はバインチュン作りの他に、春雨生産を主職業としています。春雨の生産による収入はかなり高いので、村人は一年中、春雨の生産をしています。現在、ダム村の春雨はラオスや、カンボジア、タイなどにも輸出されています。春雨の生産者の話です。
(テープ)
「バインチュン作りは昔からの伝統的な職業ですが、現在でも、多くの村人が仕事に従事していますよ。例えば、豆腐作り、春雨作り、ビーフン作りなどです。」
ダム村の人々が作った製品は、ベトナム北部の各省で大量に消費されています。
現在、ダム村は、ハーナム省タンリエム県におけるもっともダイナミックに発展する地方となっています。