学生によるグリーン農業向けのテクノロジー開発プロジェクト
(VOVWORLD) - このプロジェクトは、2023年3月に教育訓練省によって開催された第5回学生・生徒のスタートアップコンクールで第1位を受賞しました。
ホーチミン市工業大学在学中のある学生グループは、科学技術の研究に熱中し、また南部メコンデルタの穀倉地帯出身のため、農作業の大変さを深く理解しています。農民に農業への技術導入をサポートする目的で、この学生グループは、エコハウスと呼ばれる「グリーン農業ソリューション」プロジェクトを誕生させました。このプロジェクトは、2023年3月に教育訓練省によって開催された第5回学生・生徒のスタートアップコンクールで第1位を受賞しました。
エコハウス装置はIoTモノのインターネット技術を活用する小さなデバイスです。この装置は、畑に設置し、温度、湿度、土壌の水量、養分状態、NPK含有量、pH水素イオン濃度などの重要な指標の制御を統合したスマートフォンの遠隔操作ソフトウェアと組み合わせ、栽培日記を記録します。この装置の使用は生産性の向上、電気と水の節約などに役立ちます。
プロジェクトのリーダーであるホー・ガイン・フィさんは、次のように明らかにしました。
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「私たちは元々農家の出身者ばかりで、南部メコンデルタ地域で生まれ育ちましたが、農作業に従事したことはありません。しかし農民の大変さ、および農作業の方法を十分に理解しています。ですから、農民の皆さんのお役に立てればと、このプロジェクトを思いつきました」
それぞれのグリーン農業ソリューション装置は農園の需要に見合った価格で販売されています。学生グループのメンバーであるレー・ホアン・ミン・チャウさんによりますと、現在、本プロジェクトは、南部メコンデルタ地域のティエンザン省、ベンチエ省にあるドリアン、ナツメ、ザボンの畑、およびブンタウ市にあるラン園で試験的に実施されているそうです。
チャウさんは次のように語っています。
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「現在、多くの農民がこの装置の操作に慣れていないため、私たちは、一般農民であってもこの装置を利用できるように、容易な操作、使いやすいという要素に配慮しています」
ホーチミン市工業大学の学生たちはさらに、バイオ製品に関わるソリューションの設計、提供を実現する計画を立てています。これは、ベトナム農産物の付加価値を高める目的で、農産物がどこで栽培されているか、土壌含有量はどのようになっているか、土壌に化学物質が残留しているかどうかなどの指数を公開します。
プロジェクトのリーダーであるホー・ガイン・フィさんは、次のように明らかにしました。
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「我々は野菜などの農産物を売り、これらの農産物の販売に大きく貢献するためのテクノロジーを作り出したものであるという冗談を言いました。この装置は現在、試験的に実施されていますが、成功すれば、全国各地で適用されるよう期待しています」
一方、グループの一員であるチャン・ティ・チャムさんは、グリーン農業ソリューションが国内で広く適用されるだけでなく、外国にも輸出されることを期待しています。
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「私たちは、農民に安全で安心な農産物の栽培、農産物の付加価値の向上をサポートするとともに、グリーン農業ソリューションが国際基準を満たすように取り組んでいます。そうすることで、この装置は多くの国に輸出されるでしょう」
ホーチミン市工業大学のグエン・コック・クオン博士は、「現在、ベトナムはデジタル農業プラットフォームのエコシステム開発を推進している。ですから、エコハウスのようなプロジェクトは、コストダウン、環境負荷の低減、農産物の質的向上、収益の増加、消費者満足度の向上に繋がっている。エコハウスは、環境保全、肥料や農薬乱用の軽減に役立っている」と明らかにしました。
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「私たちは、このプロジェクトの実施のため、学生たちに専門的視点から助言を提供します。そうすることによって、研究所や大学でのスタートアップ企業、つまりスピンオフ企業が誕生し、ハイテク農業開発コミュニティに利益をもたらすことでしょう」
エコハウスと呼ばれる「グリーン農業ソリューション」プロジェクトは、グリーン農業開発、特にデジタル農業プラットフォームのエコシステム開発に大きく貢献することが期待されます。