APEC首脳会議を巡る問題


21の国と地域が加盟するAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳による本格的な会議が、18日と19日の両日、フィリピンの首都マニラで行われました。グローバル化や、地域間の連携が進められている現在、APECは様々な問題に直面しています。こうした中、今回のサミットは世論の注目を集めています。


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APECは、域内全域を網羅するFTAAP=アジア太平洋自由貿易圏の実現を目標に掲げています。今回の会議では、FTAAPに関する共同研究を2016 年までにまとめる方針が打ち出されています。


APECの試練

世界に対するAPECの役割が高まっていることに伴い、試練もたくさん出ています。中でも、気候変動や、疫病、テロ、各国間の発展の格差、領海紛争などはAPECの発展を妨げる大きな課題と見られています。

テロ問題に関し、パリ同時テロを受け、域内の当局間でテロ関連人物の情報共有などを強化する方針を確認しました。すでに各国の関係当局間ではテロ阻止に向けた資金洗浄防止や、旅客名簿、要注意人物といったテロ情報の共有を進めており、パリ同時テロを受け取り組みをさらに強化することで一致しました。

海洋問題に関して、APEC出席のためフィリピンを訪れていたアメリカのオバマ大統領は、地域内の海洋の安全保障を維持するため、今後2年間でおよそ320億円の支援を実施する方針を示しました。


APEC2015の成果

今回のサミットでは、域内経済の統合をテーマに、アジア太平洋地域にまたがる広域自由貿易圏づくりに向けた道筋を議論しました。中小・零細企業のグローバル展開を支援して、アジアでの企業のサプライチェーンを充実させる取り組みを検討しました。

これらは、各国間の発展格差の是正を目指すものと見られています。これらの措置により、APEC内の発展とジョ国は利益を得ると期待されています。また、持続可能な発展へ向けて、電子商取引の強化や、FTA=自由貿易協定のメリットの活用、情報交換の促進でも一致しました。

さらに、先月、環太平洋経済連携協定が大筋合意したことを踏まえて、FTAAP=アジア太平洋自由貿易圏の構築に向けて、地域の経済連携を強化していくことにも合意しました。18日は、日本やアメリカなどこの協定の参加12か国が首脳会合を開き、各国が協定の発効に向けた国内の手続きを速やか に進めていくことを確認しました。

こうした中、アナリストらは、「APECの今後の道のりも多くの困難があり、これらを乗り越えるために、加盟国全体の協力が求められる」と指摘しています。


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