これらの活動は、ASEANとの全面的協力や、インドネシアとの戦略的パートナーシップを強化していきたいというベトナムの意向を示すものとみられています。

今年のIMF・世銀年次総会で、参加者らは持続可能な発展を目指す先進的技術の活用に関する政策や、方向を討議・提案する予定です。総会の際に、「地域と世界レベルでの連携を通じての持続可能な発展目標の実施と発展格差の是正」をテーマにしたASEAN首脳会合が開かれます。

責任あるASEANメンバーとして

IMF・世銀年次総会に伴うASEAN首脳会議へのフック首相の出席は、ASEANにおけるベトナムの積極的な役割を示します。また、ベトナムが多国間協力体制を重視することも立証します。会合で、参加者らは、貧困解消や、発展格差の是正、経済成長促進、国際社会への参入の強化などにおけるASEANと国連・IMF・世銀との協力強化策について意見交換をする予定です。

同時に、フック首相とASEANの指導者らはASEANの経済状況と今後の展望を討議する計画です。また、ASEANの積極的なメンバーとして評価されているベトナムはASEAN諸国や、IMF、世銀との連携強化も目指し、ASEAN共同体構築の原動力づくりを図ります。ASEANへのベトナムの加盟に関し、ブイ・タイン・ソン外務次官は次のように明らかにしています。

(写真：thejakartapost.com）

（テープ）

「ASEANに加盟してから、ベトナムは積極的なメンバーとして、ASEANの団結・統一の強化や、地位向上などに多大な貢献をしてきました。また、域外諸国との関係強化にも寄与しています。今後、多国間フォーラムで活動を拡大させますが、ASEANは第1関心事であり続けます。」

インドネシアとの関係を重視

ベトナム・インドネシア戦略的パートナーシップは2013年に樹立されました。今回のフック首相のインドネシア訪問は、インドネシアのウィドド大統領によるベトナム国賓訪問の１月後に行われるものです。これは、ベトナムが地域と世界におけるインドネシアの役割を重視していることを示します。

今年9月、両国は2019～2023年期における戦略的パートナーシップに関する行動計画を締結しました。その中で、貿易関係の強化策や、貿易障壁の撤廃、貿易額を100億ドルにするための方策などが含まれています。

今回のフック首相によるIMF・世銀グループの年次総会、および、これらの総会に伴うASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会合への出席とインドネシア訪問は成功を収め、ベトナムとIMF・世銀・インドネシアなどとの関係強化に貢献すると期待されています。