既にお伝えしましたように、12月31日に、ASEAN東南アジア諸国連合共同体が正式に発足し、この50年間にわたるASEANの形成と発展プロセスにおける重要な節目となります。
ASEAN共同体の形成はより有利な環境をもたらし、ベトナム国の建設・発展・防衛事業に奉仕すると期待されています。
チャンスと共にやってくる試練
これまで、ベトナムがASEAN共同体に参加するチャンスは何度も分析されてきました。それは先ず、ASEAN域内と域外における市場、労働、投資誘致に関するチャンス、及びASEANのパートナーであるアメリカやEU欧州連合、日本などに進出するチャンスです。何よりも最初は、ベトナムのASEAN共同体への参加はマクロ経済の安定化に繋がるということです。ベトナムのブ・ダン・ズンASEAN大使は次のように明らかにしました。
(テープ)
「ASEAN共同体の加盟国は、世界経済不況の背景で、マクロ経済の安定を維持することが出来ます。その他、経済再構築が有利な条件に恵まれます。さらに、ASEAN共同体を通して、ベトナムは国際基準に従って市場経済体制を整備することも出来るのです。」
ASEAN共同体がベトナムにもたらす利益は明らかにされています。しかし、アナリストによりますと、これまでに、ASEAN共同体への加盟に関する認識は政府や関連各機関だけに限定していますが、企業などはまだ何の反応も見せていないようです。ハノイ貿易大学・世界経済経営科のチン・トゥ・フォン副科長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「ASEAN共同体設立の設立後、ベトナムは世界第3位の大きな市場に進出することになります。また、距離の面では、これらの市場はベトナムと近いです。ですから、ベトナムの各企業は、わが国の近くにそのような大市場が存在しているので、その市場に先に早く進出しないかと考えておく必要があります。しかし、ベトナムの企業はこのことをまだ認識していないようです。」
一方、レ・コン・フン元外務次官は、「政府の政策や活動の傍ら、ベトナムの各企業はこのプロセスにおける主体的な姿勢を整える必要がある。その中でも、ASEAN共同体からの恩恵を十分に認識するこである」と明らかにしました。
(テープ)
「この問題を解決する為には、私たちは、ASEAN域内の経済協力を巡る利益の宣伝を促す必要があります。次いで、国際基準に従って経済再構築や職業訓練を行うことも重要です。」
その一方で、ベトナムがASEAN共同体に参加する際の課題について、ベトナムのブ・ダン・ズンASEAN大使は次のように語りました。
(テープ)
「私が強調したいのは、ベトナム人労働者の英語教育ということです。なぜ、フィリピン人労働者が世界各国で働けたのか?また、複数の国がベトナムを含む他国の労働者より多くのィリピン人労働者を受け入れたがっているのか?それは、一般のフィリピン人労働者は英語能力が上手だからです。そこで、ベトナムはASEAN域内で競争する為には、先ずは労働者が英語を身に付けることが必要です。これは、労働市場に進出できる重要な手段の一つです。現在、ベトナムでは、社会全体の英語の普及率は幾つかの域内国と比べまだ低い状態です。」
認識から行動へ
ASEAN共同体は、加盟諸国に政治・安全保障、経済・文化社会に関する複数のチャンスをもたらす一方、少なくない試練を与えます。ASEAN共同体を正しく認識した上で、チャンスをつかみつつも、試練を乗り越えるに相応しい行動をとりましょう。ベトナムは、宣伝活動を促すと同時に、企業界の能力向上を行っています。その一方で、ベトナムは2015年以降のASEAN発展ビジョンの作成に力を入れています。