先頃、ミャンマーの首都ネピドーで開催されたASEAN=東南アジア諸国連合の第47回外相会議と関連各会議が閉幕しました。会議では多くの成果が収められ、ASEANの団結を示しました。ベトナムの代表団は会議の成功、とりわけ地域の平和、安定、協力の維持、ASEANと対話諸国との協力の深化・拡大、ASEANの中核的な役割の確保に貢献してきました。
今回、年内の最も重要なASEAN外相会議が開催され、また、ASEANと対話10カ国との閣僚会議が行われたのは稀なことです。8日から10日にかけて、およそ20の会議が開かれ、ASEANの諸問題が点検されるとともに、今後のASEAN内と対話諸国との協力の強化措置や地域と国際問題について討議が行われました。
ASEANの一致した発言の発揮
これらの会議で収めた際立った成果の一つはASEAN加盟諸国はいずれも地域の平和、安定、安全保障、協力の維持の重要性を強調したことです。先頃、ASEANは様々な試練に直面してきましたが、今回は団結を強化し、統一した立場をとりました。これはASEAN共同体づくり計画が軌道に乗るよう前提を作り出しています。また、ASEANは対話諸国とともにTAC=東南アジア友好協力条約やDOC=海上行動宣言、ASEAN東南アジア非核兵器地帯条約、ARF=アセアン地域フォーラム、東アジアサミット、拡大ASEAN国防相会議などの重要性と価値を掲げ、精力的に実施してゆくとしています。
特に、今回の各会議で差し迫った問題として取り上げられたベトナムの東部海域いわゆる南シナ海の緊張情勢が関心を集めました。加盟諸国の閣僚らは同海域での緊張情勢に深い懸念を示すとともに、同様の事件を再発させないよう求めています。さらに国際法、中でも1982年国連海洋法条約を基礎に平和的措置で紛争を解決すること、武力行使、または、武力行使で脅迫をしないこと、DOC=海上行動宣言を完全に履行するという原則がASEAN外相会議と議長声明に盛り込まれました。
対話諸国との実質的な関係を模索
今回の各会議で、ASEANは対話諸国と締結した行動計画の促進が図られた他、今後の行動計画の準備に踏み切りました。対話諸国は強固なASEANづくりと中核的な役割の発揮を支持すると表明するとともに、ASEAN共同体の構築、連結・連携の促進などで協力を強化していくと確約しました。
ベトナム、ASEANの各会議に大きく貢献
今回、ベトナム代表団はASEANの団結の強化と共同的な立場の発揮に前向きな貢献をしてきました。また、ベトナムはASEANの団結と地域の平和、安全保障、安定、協力、とりわけ、ベトナム東部海域問題の解決におけるASEANの主導的な役割を讃えました。ASEAN内外の国々は東部海域に関するベトナムの正当な立場を受け止めましたが、これはASEAN外相会議の共同コミュニケなどに記されました。ベトナムはASEANと対話諸国との関係の拡大・深化に対する支持を強調すると同時に、ASEAN・EU対話関係のコーディネーターとしてASEAN・EU閣僚会議を主催し、双方の関係の強化を目指す様々な構想を提案しました。
ベトナムは加盟諸国と力を合わせ、団結の強化や、ASEANの中核的な役割の確保、2015年までのASEAN共同体の構築に全力を尽くしています。