ASEAN国防相会合、ベトナム東部海域問題を取り上げる
(VOVWORLD) - 既にお伝えていますが、16日から19日にかけてタイのバンコクで第6回ADMM ASEAN国防相会合とADMM+拡大ASEAN国防相会合が開催されており、ベトナム東部海域問題は注目を集めました。
出席者らはいずれも東部海域の平和、安定の確保は地域の平和にとって重要な意義があるとの見解を示しました。
「持続可能な安全保障」をテーマにしたASEAN国防相会合と拡大ASEAN国防相会合ではASEAN諸国と対話国との国防安全保障分野での協力の強化や信頼醸成を目指し、持続可能な安全保障が集中的に討議されました。討議は人道支援と災害救助、航海の安全保障、軍医、テロ防止対策、平和維持、人道活動、サイバーセキュリティといった7つの分野に集中しました。
ベトナム東部海域、持続可能な安全保障で重要な役割
17日午前のASEAN国防相会合でASEAN諸国の国防大臣らはベトナム東部海域をはじめ、海上安全保障に関する試練について話し合うとともに地域と世界の安全保障に対する東部海域の平和、安定の重要性を強調しました。
ベトナムのゴ・スアン・リック国防大臣は次のように語りました。
(テープ)
「最近、発生したベトナム東部海域での緊張情勢は一方的な行動によるものです。他国の正当な利益を尊重せず、国際法、とりわけ1982年国連海洋法条約を順守しないことは地域の平和を脅かし、各国の懸念を招いています。大国は自らの目的を追求していますが、地域諸国は統一的な立場をとらない限り、除外される恐れがあります。ベトナム東部海域を平和で安定的かつ持続可能な発展を遂げる海域にするため、国際法の順守を第一の条件に位置付けるべきです。」
一方、ASEANと中国の国防相による非公式会合で、ASEAN側はベトナム東部海域での航行の自由に対する障害を指摘するとともに、COC海上行動規範の交渉の進展を評価しました。
ASEANの対話国の立場
ASEANとアメリカの国防相会合で、アメリカのマーク・トーマス・エスパー国防長官はインド・太平洋地域の安全保障に懸念を示すとともに、国際法、各国の独立、主権の尊重を基礎に、自由で開かれたインド・太平洋戦略を実施すると確約しました。また、エスパー長官は中国の不条理な要求を強く批判し、次のように述べました。
(テープ)
「ベトナム東部海域に対する中国の主権主張は九段線の不合理性をはっきりと示しました。中国の主張は理に適わず、2016年7月に下したハーグ常設仲裁裁判所の判決に逆行したものであり、衝突危機のエスカレートを招きました。」
また、アメリカ側はASEAN諸国が東部海域に間する共通の立場をとっており、ASEANの声明は団結を示すとしています。ベトナム東部海域に関する共通の立場を示す傍ら、ASEAN諸国は団結やコンセンサスを強化し、外部からの影響に臨機応変に対応して、地域と世界の平和、安定の維持に貢献する必要があります。