(VOVWORLD) - すでにお伝えしましたように、先ごろ、タイの首都バンコクで第52回ASEAN外相会議と関連各会合が行われました。会議ではベトナムの東部海域(南シナ海)問題が主要議題として取り上げられ、ASEAN諸国とパートナー国の注目を集めました。
会議で発表された共同声明によりますと、ベトナム東部海域の現状について、幾人かの閣僚らは人口島の建設や軍事拠点化について深刻な懸念を共有しました。声明は、「我々は非武装化の重要性を強調し、同海域で領有権を主張している国と他の国々がすべて、自制して、DOCに記入されている行動など、緊張エスカレートにつながる行動をしないことの必要性を明らかにする」と記載しています。
理に適うベトナムの立場
ベトナム東部海域(南シナ海)をめぐっては、中国の海洋調査船「海洋地質8号」や海警の公船がベトナムの排他的経済水域(EEZ)内で活動し、ベトナムの船舶に接近するなど緊迫する事態が続いています。これはベトナムの主権、領有権に違反した行為であるとしています。ベトナムは退去を求め中国に強く抗議し、平和的措置で、主権を断固として確保しています。
ミン副首相兼外相 |
第52回ASEAN外相会議と関連各会合はASEANの中核的な役割を維持する重要性を強調し、地域の平和、安定、安全保障の維持、浮上している試練の解決に際し、協力を強化すると表明しました。そして、ASEAN加盟各国間の相互信頼及び、ASEANとアジア太平洋地域の国々との相互信頼を強化することを通じて、地域の持続可能な安全保障を促進させることを再確認しました。会議で、ベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相はベトナム東部海域(南シナ海)における複雑な動きに懸念を表明すると共に、1982年の国連海洋法条約を始め、国際法を遵守し、武力による威嚇又は武力の行使をせず、自制をして、軍事化をしないという立場を改めて強調しました。ベトナムの立場はASEAN内外の諸国の支持を得ました。一方、ASEANは共同声明で、「南シナ海の埋め立てや軍事拠点化は緊張を高め、信頼を損なうと訴えるとともに、同海域の平和、安全保障、そして、航行の自由を維持・促進することの重要性を再強調するとともに、DOC=海上行動宣言を十分かつ効果的に履行することの重要性を強調する」と述べています。ASEANだけでなく、アメリカ、オーストラリア、日本も中国のベトナムの主権侵害を非難しています。
国際法を尊重すべき
ベトナム東部海域の緊張情勢の解決に関するASEANの団結とコンセンサスは国際法、及び地域と世界の平和、安定、安全保障に対する責任を基礎にするものです。ベトナム東部海域に関する紛争は国際法、中でも1982年国連海洋法条約に従って、平和的措置で解決し、海上・上空の自由航行、武力行使をしないということはASEANの統一した立場です。また、議長国タイのドン外相は外相会議開幕式で、ASEANが“持続可能な平和”の構築など世界に貢献するには「結束と中心的役割が決定的な要素だ」と強調し、「加盟国間や大国との関係で不信と恐れを乗り越えること」が重要だと指摘しました。