3日、ラオスの首都ビエンチャンで、ASEAN東南アジア諸国連合の第48回経済閣僚会議が開幕しました。ASEAN経済共同体が成立されて以来、初めて開かれる今回の会議は、2025年までのASEAN経済共同体計画の遂行などの内容について集中的に討議するとしています。
発展のための原動力を作り出すAEC
2015年12月31日に、AEC =ASEAN経済共同体が成立されました。ASEAN共同体を構成するASEAN経済共同体、ASEAN政治・安全保障共同体、ASEAN社会・文化共同体という3本柱の中でもに、AECは最も注目されています。AECの発展は残りの2本柱の実施を推進する前提であると評価されています。
AECは、「統一の市場・生産拠点」、「競争力のある経済地域」、「公平な経済発展地域」「グローバル経済への統合」の4つの目標が掲げられています。AECが誕生して以来この7カ月、ASEAN加盟諸国は人・物・資本・サービスの移動の自由化を集中的に実現してきました。具体的では。各国は、減税、税関手続き改革、及び貿易円滑化などを加速させたということです。
競争のある経済地域の構築という目標達成のために、AECは、競争政策、消費者保護、知的所有権保護、及びインフラ整備という4つの主要活動に集中しています。
その一方で、公平な経済発展地域の構築を目指して、ASEANは中小企業の発展戦略の作成を検討し、ASEAN参入イニシアティブを実現してきました。また、ASEANは二国間自由貿易協定、及び包括的経済連携協定に関する交渉を加速させることで一致しました。
ベトナムに大きなチャンスをもたらすAEC
AEC成立は、ASEANの参入過程において重要な節目となっています。AECはベトナムに以前より幅広い市場に進出できるチャンスをもたらしています。ASEAN地域内の市場だけでなく、ASEAN地域外の市場です。というのは、現在、ASEAN加盟諸国は世界における大きな貿易相手と協力協定、特に自由貿易協定を結んでいるからです。
さらに、AECはベトナムの投資経営環境の魅力を増しています。ハノイ貿易大学のチン・ティ・ト・フォン博士は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムの企業は、世界第3位となる6億人あまりの人口を抱える市場に進出するようになりました。地理的距離の面では、この市場はベトナムの近くにあり、EU、アメリカ、あるいは日本ほど遠くないです。」
ASEAN域内の全面的参入に努力
AECからもたらすチャンスを認識して、ベトナムはAEC成立以前に、参入過程を周到に準備してきました。企業の認識向上を助ける一方、競争環境改善と能力向上に関する様々な政策を適宜にとってきました。
ベトナム商工会議所・持続可能な開発のための企業担当事務所のグェン・クアン・ビン所長は次のように強調しています。
(テープ)
「例えば、先ごろ、ベトナムは、競争環境の改善と政府能力の向上に関する決議19号を発効させました。これは、各省庁や部門が行政手続きの改革、納税や通関手続きにかかる時間の短縮を実現できる弾みとなっています。」
ベトナムは国際通例に相応しい経済体制の調整と完備に努力しています。AECの完全な参入は、ベトナムに大きな利益をもたらす一方、多くの試練を与えます。そこで、ベトナムは今回のASEAN経済閣僚会議に参加して、ASEAN経済共同体計画の実現に向けた意見や構想を主体的に提出するとしています。