(VOVWORLD) - 毎年6月5日は「違法・無報告・無規制に行われる漁業との闘いのための国際デー」となっています。この間、ベトナムは、IUU=違法・無報告・無規制漁業に対処するため、複数の方策を断固として講じてきました。
ベトナムがIUU漁業へのEC＝欧州委員会の「イエローカード」の解除に取り組んでいる中で、IUU対策は重要で差し迫った任務であるとされています。さらに、この任務は、水産物部門の持続可能な開発にとって長期的な意義を持っており、政治システムと社会全体の責任でもあると位置づけられています。
引き続き「イエローカード」の解除に取り組む
ベトナムの党と国家の一貫した方針は、IUU漁業対策の堅持、海洋、および水産資源の保護と持続可能な開発、海洋経済開発と領土保全との緊密な連携、法の支配ということです。水産局の代表によりますと、農業農村開発省は公安省と連携して、漁船主の電子身分証明アプリ「VNeID」の登録アカウントを介して、漁船のデータをまとめているとのことです。一方で、農業農村開発省傘下の漁業検査局は、沿岸28の省・市への作業部会の派遣を行う計画です。農業農村開発省、国防省、公安省の代表者を含む検査団は、今月中に、中部沿岸地方であるニントアン省、ビントアン省、クアンガイ省、ダナン市、続いて7月中に南部沿岸地方のベンチエ省、ティエンザン省、ホーチミン市、バリアブンタウ省、ソクチャン省、チャビン省、そして8月と9月に北部沿岸の各省・市を視察する予定です。
去る5月21日、ハノイで行われたIUU防止対策指導委員会の会議で発言に立った漁業検査局のグエン・クアン・フン局長は次のように語っています。
（テープ）
「国境警備隊、漁港管理委員会、および地域漁業管理機関の役割は極めて重要です。各地方は、地元の漁船が外国の海域で操業しないように、検査活動を厳格するとともに、トレーサビリティを確保し、漁港での検査・監視を強化する必要があります。また、欧州連合やほかの市場に輸出される水産物の100%が水産支局の認証を受けなければなりません」
これまでの取り組みの結果
この間、IUU漁業対策に向けたベトナムの取り組みは、具体的な結果を収めてきました。例えば、ベトナムの法的枠組みは、IUU漁業対策に関する国際の要求に基本的に応えるようになること。操業隻数と漁獲頻度が徐々に減少していること。国家漁業データベースソフトウェア「Vnfishbase」を基本的に完備したこと。漁港に出入りする漁船の監視、漁獲物のトレーサビリティなども注視されています。特筆すべき点は、南部ティエンザン省では、2023年以降、外国海域での違法操業により、逮捕された漁船は一隻もありませんでした。ティエンザン省農業農村開発局のグエン・バン・マン局長は次のように語っています。
（テープ）
「 IUU漁業対策に対する漁民の意識が高まっています。全ての遠洋漁船は漁船監視装置を設置し、24時間稼働させています。漁獲活動日誌への記録は漁民にとっては日常的な作業となっています。これらの結果は、ティエンザン省が、IUU漁業対策に向けた任務の完遂に役立っています」
一方、キエンザン省では、現時点で、全ての漁船は登録手続きを済ませ、長15m以上の漁船も監視装置を整備されています。同省はまた、港を通じて漁獲量の61.3％を監視し、指定された漁港での漁獲量の100％を検察しています。さらに、違反した漁船を断固として徹底的に処罰してきました。キエンザン省農業農村開発局のレ・ヒュウ・トアン局長は次のように明らかにしました。
（テープ）
「私たちは、漁民の違法行為を厳格に処分すると同時に、漁民への宣伝、説明を積極的に行っています。そのほか、漁獲物のトレーサビリティにも注視しています」
IUU漁業対策は、ベトナムの漁業を革新するためのモチベーションとなっています。これはまた、ベトナムのIUU漁業に対するECイエローカードの早期解除に役立つとされています。