アフガンで治安悪化 解決策見いだせず

(VOVWORLD) -  アフガン駐留アメリカ軍は2011年に11万人を超えましたが、 オバマ前大統領が任期中の撤収を表明し、2015年には駐留規模 は約8500人に縮小しました。

最近、アフガニスタンの首都カブールではテロ攻撃が相次ぎ、 治安悪化が深刻になっています。 アメリカが治安維持についてアフガン政府を大いに支援しているこ とから、その支援は効果を上げているかどうか疑われています。

アフガンで治安悪化 解決策見いだせず - ảnh 1           タリバンの戦闘員(写真:VNA)

治安悪化 

カブールで1月29日、武装集団が軍施設を襲撃し兵士ら11人が 死亡しました。中東の過激派組織(IS)「イスラム国」 が犯行声明を出しました。ISは昨年の12月28日と今年の1月4日にもカブー ルで自爆テロを起こし、 市民や警官ら計50人以上を殺害しています。

一方、カブールで、1月20日、高級ホテルが襲撃され、20人以上 が死亡したほか、27日には、自爆テロで103人が死亡していて 、いずれも反政府武装勢力「タリバン」が、 犯行声明を出していました。

これに対し、アフガニスタンのガニ大統領の報道官は1月30日、 首都カブールで記者団に対し、 テロを繰り返す旧支配勢力タリバンが「レッドラインを越え、 和平協議の機会を失った」と述べました。アフガン政府はタリバン 掃討作戦をさらに強化する構えですが、アメリカ政府の報告書などによりますと、 アフガン政府の支配地域は2015年11月時点で全土の72% でしたが、昨年8月時点では57%に減少しました。

そして、 テロや戦闘などによる民間人の死者は昨年1月から9月だけで2640人、負傷者は5379人に上っています。 

米のアフガン新戦略 

アフガン駐留アメリカ軍は2011年に11万人を超えましたが、 オバマ前大統領が任期中の撤収を表明し、2015年には駐留規模 は約8500人に縮小しました。しかし、 アフガン治安部隊の戦闘能力が高まらず、 タリバンが息を吹き返し、ISも台頭しています。これを受け、 アメリカのトランプ大統領は昨年8月にアフガン新戦略を発表し、 アメリカ軍の関与を継続する方針を表明しました。

アフガンで治安悪化 解決策見いだせず - ảnh 2カブールの警察(写真:VNA)

実際、駐留アメ リカ軍を1万4千人まで再拡大しています。しかし、タリバンは27日の自爆テロ後「 トランプ大統領へのメッセージだ」との声明を出しました。トランプ政権が新戦略を決めたことで、 タリバンを刺激した格好だとみられます。 一方で、トランプ大統領は29日、「 現時点ではタリバンと対話する用意はない」と強調し、「 われわれは終わらせるべきことを終わらせる」と指摘しました。

アフガン政府とタリバンの和平交渉を急ぐよりも、 タリバンを弱体化させるための軍事作戦を優先する意向を示しまし た。アメリカは空爆を増やし、 タリバンに和平交渉のテーブルに着くよう圧力をかけますが、「 空爆の報復にタリバンはカブールでのテロを増やす」 という悪循環が起きています。

一方、ISはタリバンに劣らぬテロ攻撃の実行力を誇示することで 、資金や戦闘員を募る思惑もあるとみられます。こうした悪循環に より、治安回復はほど遠いのが現状です。

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