アメリカとキューバとの関係:新たなページの歴史に入る


去る20日、アメリカとキューバが国交を回復したことを受けて、双方の首都にある利益代表部は大使館としての業務を再開しました。このうちワシントンにあるキューバの利益代表部は、20日の朝から正式にキューバ大使館となりました。

これについて、アメリカ のオバマ大統領は21日、訪問先の東部ペンシルベニア州で行った演説で、「真の指導力とは、過去に機能しなかった政策を乗り越えて新たな方向に導く勇気を 持つことだ。それがまさに、われわれがキューバとの間で行っていることだ」と述べ、キューバに対する封じ込め政策を転換する必要性を強調しました。

時代遅れ政策の失敗

国際世論、特にラテンアメリカ地域諸国と平和を愛する人々は、この出来事が冷戦時代に残された跡を絶つ時期であるとの見解を示しました。

実際、長年にわたって続いてきたアメリカの経済制裁、及び敵対政策はキューバの発展を妨げていました。しかし、過去50年あまり、アメリカ政権がキューバに対しての経済制裁を続けているにもかかわらず、キューバの国民はフィデル・カストロ前国家評議会議長とラウル・カストロ国家評議会議長の指導の下に、団結し合いました。キューバの党、国家、国民は様々な困難や試練を乗り越え、革命の成果を着実に保護し、国の発展を遂げてきました。それらのことは、キューバを孤立させようとするアメリカの敵対政策は、アメリカの期待通りの効果をもたらさなかったことを示しました。ひいては、逆効果となり、今日の世界における時代遅れものとなっています。

一方、アメリカのオバマ大統領は2008年に就任した直後に、数十年間に続いているキューバに対するアメリカの経済制裁は期待通りの目標を達しなかったと認識しました。また、オパマ大統領は二国関係の改善を目指す為、キューバと対話を行なう意欲を表明しました。

両国関係の課題はまだ多い

 
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キューバのロドリゲス外相(左)とアメリカのケリー国務長官(写真:AP)

アメリカのケリー国務長官とキューバのロドリゲス外相は20日、54年ぶりの国交回復を受け、ワシントン市内の国務省で会談しました。席上、ロドリゲス外相は「きょうの歴史的イベントは、経済・商業・金融上の障壁が取り除かれて初めて意味を持つものになる」と主張しました。

一方、ケリー長官は 会談後の記者会見で「歴史的な日だ。しかし、完全な関係正常化への道は長く複雑かもしれない」と述べ、対キューバ制裁の全面解除やキューバの人権状況改善など課題が山積している事実も指摘しました。

歴史的な国交回復をアピールする両国ですが、未解決な懸案も多く、関係が名実ともに正常化するには時間がかかりそうです。

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