「サウススト リーム」計画を巡る問題

ロシア産天然ガスを黒海経由で欧州に運ぶパイプライン「サウスストリーム」の建設計画の参加者らは、ロシアのプーチン大統領が計画中止を発表した2週間後の9日、ベルギーで、初の会合を行います。この会合は、同計画の継続を目指す合法的な方策を探ることを目指します。

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ロシアのガスパイプライン

パイプラインはロシアから黒海を経てブルガリア、セルビア、ハンガリー、ギリシャ、スロベニア、クロアチアなどを経由し、オーストリアに至る計画です。

ロシアにとっても、EUでのガス販売増につながる利益がありますが、プーチン大統領は計画の中止 もやむを得ないとの考えを示しました。同日、ロシア国営ガス企業「ガスプロム」社はロシアとトルコが黒海経由でトルコにつながる新たなガスパイプラインの建設で合意したと発表しました。


計画中止による影響

計画中止は、ガスの通過料収入などを見込んでいたブルガリアや、セルビアなど関係諸国にとって痛手となります。新パイプラインは「ノルドストリーム」とともに、ウクライナを迂回するルートになります。ロシア にとっても戦略上の損失といえます。

また、欧州のガス需要は再生エネルギーの増加などで伸び悩むようになっており、500億ドルという投資に効果があるのか言い切ることはできません。イタリアのエネルギー企業サイペン社もこの計画中止の決定の影響により、およそ20億ドルの損失が出ると明らかにしました。


計画中止の理由

プーチン氏はブルガリアがEUの求めに応じて建設を凍結したことに言及し、「計画は続けられない。欧州が選択したことだ」と強調しました。ロシア政府系企業ガスプロムも「事業は打ち切りだ」と述べました。

ロイター通信は今回の計画中止の背景には、エネルギー価格の下落と欧州のエネルギー需要減少があるとの専門家の見方を伝えており、新パイプライン計画の先行きは不透明だということです。

ガス価格を巡ってロシア と対立してきたウクライナを迂回し、欧州へガスを安定供給するのが狙いでした。サウスストリームについても、EU執行機関の欧州委員会が「計画凍結」を求めていました。


関係諸国へのチャンス?

プーチン大統領が計画中止を発表した後、6日、ガスプロム社は「サウスストリーム」計画を再開させるつもりはないと明らかにしました。ロシアの投資グループのドミトリ・バラノフ(Dmitry Baranov)専門家は「欧州連合が見解を変えれば、計画は再開できる」と述べました。

一方、欧州連合のエネルギー担当者は、今月9日予定されるこの計画の関係者による会合を取り消すつもりはないと明らかにしました。

パイプライン「サウススト リーム」の計画が継続できるかどうかは関係諸国の努力に頼ることでしょう。

 

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