(VOVWORLD) - 国際社会は、軍事攻撃ではなく、対話でシリア問題を解決するよう強く求めています。
アメリカなど3か国はシリアのアサド政権が化学兵器を使ったとして限定的な軍事攻撃に踏み切りましたが、国際社会から強い反発を受けています。この攻撃の結果から見ると、シリア問題は政治的に解決するしかないでしょう。
軍事攻撃に反対する アメリカでのデモ |
軍事攻撃は解決策にならない
アサド政権の化学兵器使用の疑惑が確認されていないまま、行われた軍事攻撃は、国際社会の基準に背くものです。国際社会からの反発はもちろん、アメリカ国内でも反対デモが行われました。
今回の軍事攻撃は、アサド政権がシリア内戦で優勢な状況にあることに何の影響も与えられないことから、残り少なくなった反政府勢力の拠点の制圧を引き続き、進めていくアサド政権の決意を強めただけです。その意味で、この攻撃はシリア問題の解決に役立つところか、内戦の激化につながるのではないかと見られています。
唯一の解決策は対話だ
国際社会は、軍事攻撃ではなく、対話でシリア問題を解決するよう強く求めています。
ロシア大統領府は16日、同盟国であるシリアに対するアメリカ主導の攻撃があったものの、なおアメリカ政府との対話を望んでいると表明しました。ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、「目下、アメリカ政府が二国間関係にダメージを与えている」にもかかわらず、「何らかのコミュニケーションが始まることを我々は望んでいる」と述べました。
同日、EU欧州連合は、ルクセンブルクで開いた外相理事会で、シリア情勢を議論し、内戦の政治的解決に向けたプロセスの後押しを模索する方針です。ドイツはフランスと協力して、シリア問題の解決を目指す新しい交渉の開始に努力する用意があるとの姿勢を示しています。
フランスのマクロン大統領は今月下旬に初めてアメリカを訪問するのに続いて来月下旬にはロシアを訪問する予定で、軍事的な行動だけでなく、シリア情勢の安定に向けて政治的な対話を進められるということについてプーチン大統領と話し合うと期待されています。