(VOVWORLD) - トランプ大統領はこれまで銃規制に消極的でしたが、相次ぐ乱射事件で規制強化を求める声が高まっていることから、銃規制を強化する方針です。
アメリカのトランプ大統領は20日、同国司法省に対し、1発ずつしか発射できない銃を連射できるようにする「バンプストック」など、すべての改造装置を禁止する規制案を早急に作るよう指示しました。フロリダ州の高校で17人が死亡した事件を受けて、銃規制を求める世論が高まっており、対応を迫られた形です。
トランプ大統領は、バンプストックを「かなり早期に」違法化するために、新たなガイドラインをまとめるようジェフ・セッションズ司法長官に指示した」と明らかにし、「学校の安全確保は政権の最優先事項だ」と語りました。また、学校の安全を確保するため、銃購入者の審査の厳格化などに取り組む考えを強調するとともに、教師が銃を所持する必要性にも言及しました。
トランプ米大統領(写真:THX/TTXVN) |
相次ぐ銃の乱射事件
近年、アメリカでは、銃の乱射事件が相次ぎ、多数の死傷者が出ています。 2月14日にフロリダ州の高校で起きた銃乱射事件では、17人が死亡、少なくとも14人が負傷し、現在も4人が入院しています。これに先立つ1月23日、ケンタッキー州の高校で、15歳の男子生徒が拳銃を乱射し、同級生の2人を死亡、17人を負傷させました。
特に、2017年10月、ラスベガスで、容疑者が無差別に銃を乱射し、58人を殺害した大量殺人事件が起きました。銃乱射事件としてはアメリカ史上最悪の死者数となっています。統計によりますと、2013年以来、アメリカ全土で起きた乱射事件は約300件にのぼっているということです。
差し迫った課題となった銃規制強化
銃の乱射事件が相次いでいる背景の中で、銃の規制強化は差し迫った課題となっています。アメリカのキニピアック大学が20日に発表した全米世論調査によりますと、銃の規制強化に賛成と回答した人は66%、反対と回答した人は31%です。賛成と反対の差は2008年の調査開始以降、最も大きいということです。
また、銃の購入者全員の身元確認に賛成すると回答した人は97%と、圧倒的に多いであるのに対し、反対または賛否を明らかにしなかった人はわずか3%です。
しかし、今回の調査によりますと、支持政党別では、銃の規制強化に賛成と回答した民主党支持者は86%であるのに対し、共和党支持者は34%にとどまっているとしています。
有力なロビー団体、NRA=全米ライフル協会から支援を受けるトランプ大統領はこれまで銃規制に消極的でしたが、相次ぐ乱射事件で規制強化を求める声が高まっていることから、銃規制を強化する方針です。しかし、どこまで規制強化を進めるのかが注目されています。