トルコ・米関係 最低へ

(VOVWORLD) - アメリカがNATOの同盟国に制裁を科すのは異例のことです。
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トルコがアメリカ人のアンドルー・ブランソン牧師をテロ組織支援の疑いで長期拘束していることをめぐって、両国は互いに言葉で批判しあっているだけでなく、制裁措置をとり始めました。両国関係の悪化は必至です。

キリスト教福音派のブランソン牧師は、2016年にトルコでクーデター未遂事件を起こした反政府組織を支援した罪で逮捕・起訴され、2年近く収監されました。先月末からは自宅での軟禁に移されたものの、アメリカのトランプ大統領は早期の解放を強く要求しました。

制裁措置

しかし、トルコが応じないことから、アメリカ財務省は1日、トルコの司法相と内務相を経済制裁の対象に指定しました。これによって、2人のアメリカ国内の資産が凍結されるほか、アメリカ人との取引が禁じられます。

アメリカが制裁措置を出す前に、トランプ大統領は、「大規模な制裁をかける」とツイッターで警告しましたが、トルコ側は「誰からの脅しも許容できない」と猛反発しています。

トルコはNATO=北大西洋条約機構のメンバーですが、アメリカがNATOの同盟国に制裁を科すのは異例のことです。

緊張エスカレート

実は近年、両国の対立はエスカレートしています。アメリカとトルコの関係は、2016年7月のトルコのクーデター未遂に際し、トルコ政府が首謀者と見なす在アメリカイスラム指導者ギュレン師の引き渡しにアメリカが応じなかったことから、急速に冷え込みました。シリア内戦でも、トルコがテロ組織として敵視するクルド人勢力を、アメリカ軍は(IS)過激派組織「イスラム国」掃討に当たる「友軍」として扱い、アメリカ・トルコ間の緊張を高めました。

アメリカのポンペオ国務長官は4日にシンガポールで開かれるASEAN東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)閣僚会議に合わせ、トルコのチャブシオール外相と会談する予定です。ポンペオ氏はこの中で牧師の釈放を改めて求めるほか、関係悪化を食い止める方策を話し合う考えとみられます。

しかし、アメリカの政治アナリストは、「トルコは今でも信頼できる同盟国なのかという疑問が米国内で生じ始めている」と指摘しました。

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