ブラジルの大統領選挙

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ルセフ大統領とネベス候補

ブラジルの大統領選挙は6日朝、投票が締め切られました。選挙管理委員会によりますと、ルセフ大統領が42%の票を獲得し、そして、社会民主党のネベス候補が34%で二位となり、社会党のシルバ候補は21%にとどまりました。候補者11人のうち得票が過半数に達した者はおらず、ルセフ大統領とネベス氏の上位2人が26日の決選投票に進むことになりました。

二人の候補者の利点

ルセフ現大統領は2010年にブラジル大統領に就任しました。ブラジルの初の女性大統領として知られています。ルセフ大統領の柔軟な指導により、ブラジルの経済社会は多大な成果を収めました。先頃、国連が発表した報告によりますと、ルセフ大統領の指導の下に、ブラジルにおける貧困者数は75%を、栄養失調者数は50%低下し、失業者の割合は5%にとどまっています。ルセフ大統領は、ブラジルが「中所得」の新興国として世界一輝いていたルラ政権8年間の功績に支えられています。 ルセフ氏は選挙戦で、2003年以降の労働党政権下での貧困対策の成果を強調して、低所得者層を中心に支持を広げました。「私の政権で2200万人が貧困層から抜け出した」というのが選挙運動の決まり文句でした。

一方で、2位のネベス氏は、財界や富裕層が期待する税制の簡素化や減税など、経済成長重視の政策面で労働党に対抗する姿勢を打ち出し、候補者個人への批判を避けました。ネベス氏のブラジル社会民主党は、中道で財界から支持が厚いということです。本人はミナスジェライス州の州都ベロオリゾンテの生まれで、大学卒業後すぐに政治活動をスタートしました。1986年にミナスジェライス州から下院議員に当選しました。その後は、下院議員を通算4期、ミナスジェライス州知事を2期、ついで2010年に上院議員に転進しました。知事時代のネベスは、行政改革を断行し、21部門を15部門に集約した他、法的根拠のないポストを大幅に削減しました。
生活面では、義務教育の1年延長と教科書の無償配布、警察官の増員による犯罪発生率の低下などの改革を行い、知事一期目の支持率は58%、再選時には73%でした。

予想できない結果

今回の選挙では、ブラ ジルの景気が減速するなか、経済政策が主な争点となり、再選を目指すルセフ大統領は貧困対策による低所得者層の生活改善を実績として強調し、優勢を保って きたのに対し、ネベス候補はルセフ政権の企業活動や為替市場への過剰な介入が景気を悪化させていると批判し、支持を拡大してきました。

決選に進む2人はそれぞれ会見し、ルセフ氏は「有権者から、さらに前進しろとのメッセージを受け取ったと感じている」と述べ、ネベス氏は「変化を望む人々の気持ちを決選投票で代弁できることを名誉に思う」と語りました。

約1億4千万人の有権者が直接投票で選ぶブラジルの大統領選には11人が立候補していました。2002、2006、2010年に続き、4回連続で労働党と社会民主党の候補者による決選投票となります。大統領の任期は4年で、決選投票の勝者は2015年1月1日に就任します。

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