(VOVWORLD) -第5回査察は、ベトナムにとって「イエローカード」を解除するための決定的な時点であるとみなされています。
EC=欧州委員会がIUU=違法・無報告・無規制漁業への対処が不十分であるとしてベトナムの水産物にイエローカードを適用しています。EC欧州委員会の査察団は、まもなく、ベトナムのIUU対策に対する第5回査察を行う予定です。第5回査察は、ベトナムにとって「イエローカード」を解除するための決定的な時点であるとみなされています。そこで、この間、ベトナムの政府、省庁・部局、関連機関は、「イエローカード」の解除を目指して、複数の方策を講じており、IUU漁業対策やECの勧告の対処に取り組んでいます。
PV/Vietnam+撮影 |
ECの査察団は、2023年10月に第4回査察を行った後、IUU漁業対策に向けたベトナムの努力を高く評価しました。
複数の方策
ECの第4回査察が行われて以来、ベトナム全国の海岸地方にある中央直轄28省・市は、ECの勧告に沿って、複数の方策を講じています。それらは、操業中漁船や漁獲量の管理、船舶監視システムの24時間稼働、漁港のリストアップ、漁船主、船長、漁民へのIUU漁業対策に関する法律の宣伝などを行うと同時に、IUU漁業に違反した行為を厳格に処罰するということです。これにより、この間、外国海域で違法操業をした漁船の数は著しく減少するようになりました。
特に、年初以来、国内で漁船総数が一番多い地方である南部キエンザン省では、外国海域で違法操業をした漁船が発見されませんでした。このことは、IUU漁業対策に対する漁民の意識が高まるようになったと示しています。
ある漁民は次のように語っています。
(テープ)
「私は、常に乗組員に対して国の法律と関連機関の宣伝を遵守するよう働きかけています。例えば、外国海域で操業をしないこと、漁船監視装置を24時間稼働させること、操業中に、何か事件が発生した場合、速やかに地方行政府に通報しなければならないということです」
第5回査察後に、「イエローカード」を解除する決意
農業農村開発省所属漁業監視局のグエン・クアン・フン局長によりますと、ECの代表団は、現場を視察する前に、ベトナムの関連機関との会合をオンライン形式で行います。会合の内容は、ECの勧告の実施状況に集中します。ECは、外国海域で違反した漁船への処罰や、港に出入りする漁船の監視、漁獲物のトレーサビリティなどに関心を払っているとのことです。これらは、ECのイエローカードの早期解除に向けた重要な任務であるとされています。
フン局長 |
フン局長は次のように語っています。
(テープ)
「漁業法執行部隊は、巡回、検査、審査を強化し、行政違反行為を取り締まります。特に、外国海域へのベトナム船による不法侵入、または、ベトナム海域への外国船による不法侵入を阻止するために、周辺諸国に接する海域を厳格に検査する方針です」
現時点で、政府、省庁、部局、および関連機関は、4月中にECが「イエローカード」を解除できるように、全力を尽くしています。ベトナム海上警察政治委員のブイ・コック・オアイ中将は次のように明らかにしました。
(テープ)
「関連機関や地方行政当局は、決意を固めています。漁民の違法行為を厳格に処罰すると同時に、漁民への宣伝、説明を積極的に行っています。漁民の操業に便宜を図る方針です」
ベトナムは、第5回査察後に、ECが「イエローカード」を解除するという目標を掲げています。「イエローカード」の解除は、国際市場におけるベトナムの水産物の付加価値と競争力の向上に役立つとされているからです。