(VOVWORLD) - グエン・スアン・フック国家主席の招きに応え、シンガポールのハリマ・ヤコブ大統領夫妻は16日から20日にかけてベトナムを国賓として訪問しています。
ヤコブ大統領の訪問は両国の戦略的パートナーシップに強固な土台をつくると期待されています。ヤコブ大統領の国賓としてのベトナム訪問は来年の両国の外交関係樹立50周年、および戦略的パートナーシップの確立10周年を控え行われたものです。
信頼醸成を促進
クオン准教授 写真撮影:Le Duong
|
両国の外交関係樹立50周年、および戦略的パートナーシップの確立10周年を迎えるにあたり、シンガポールのリー・クアンユー公共政策大学院のヴ・ミン・クオン准教授は、「この50年間、ベトナムとシンガポールの協力関係には多くの成果が見られた。特に、この10年間でシンガポールはベトナムに対する上位投資国の一つとなり、投資総額は約700億ドルを突破した」と明らかにしました。去る3月中旬、南部ビンズオン省で第3ベトナム・シンガポール工業団地のベトナム国内における11番目の工業団地の地鎮祭が行われました。同工業団地は両国の緊密な協力関係の証であると評されています。クオン准教授は次のように語りました。
(テープ)
「シンガポールの研究者は両国の協力の潜在力を高く評価します。ベトナムは忠実で信頼できる友人であり、数十年先の未来を臨む長期ビジョンを持っています。また、ベトナムは新型コロナウイルス感染症の抑制後、パートナーとの協力を強化する姿勢を固めています」
二国間、および多国間協力を強化
ベトナムとシンガポールは多くの分野で互いに補完し合うことができます。シンガポールは大規模な資金や先進の科学技術を有し、高度な知識を要する分野に強みを持っています。また、シンガポールは、多くのベトナム人にとって観光、健康、教育において魅力的な市場でもあります。
一方でベトナムの政治的安定、豊富な労働力、豊かな自然条件はシンガポールの投資家と実業家を魅了しています。
両国は地理的に近い位置にあり、海路や空路の便が良く、ともにASEAN=東南アジア諸国連合やRCEP=東アジア地域包括的経済連携協定、CPTPP=環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定に加盟していることから二国間、および多国間の経済協力を促進する余地が大きいとしています。シンガポールの第二貿易産業大臣兼人材開発大臣であるタン・シー・レン氏は次のように明らかにしました。
(テープ)
「シンガポールの企業はハノイやホーチミン市で勢いを強め、北部ビンフック省や南部ビンズオン省などで事業を拡大しています。この傾向は新型コロナにより減速することはありませんでした。両国は新たな協力分野を定め、エネルギー、食糧、農業、観光、運輸、教育などの分野で協力を拡大していきます」
地域と世界の情勢が大きく変動している現在、両国は信頼醸成を促進し、広範な協力について協議する必要があるとしています。
このおよそ50年間での成果やシンガポール大統領のベトナム訪問を通じて、今後、両国の戦略的パートナーシップが強化されることが期待されています。