(VOVWORLD) - ベトナムが国連安全保障理事会非常任理事国になってから6か月経ちましたが、その中で、1月の安保理議長国を務めました。新型コロナウイルス感染症を始め、世界情勢が複雑に推移している中で、ベトナムは安保理非常任理事国としての役割を果たしています。
ベトナムが安保理非常任理事国になるのは今回が2度目です。前回も今回も、国連憲章と国際法を遵守し、紛争を平和的措置で解決するという姿勢をとるとともに、国際社会への参入や国の発展に関する経験を分かち合う用意があります。
安保理で発表しているベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相 |
かつてないほどの試練
2020年に入ってから新型コロナウイルス感染症が世界全体のあらゆる活動に深刻な影響を与えています。国連本部が閉鎖せざるを得なかったため、安保理は会議や討論会などをオンライン形式で行っています。こうした状況にありながらも、ベトナムは他の理事国と連携して、安保理の業務を上手く実施しています。ベトナム外務省国際組織局のヴ・ホン・ベト局長は次のように語りました。
(テープ)
「今年の初めからの6か月、地域と世界の情勢は大きく推移し、予測しにくい状況でした。新年に入り、イランのソレイマニ司令官災害事件が起きました。これは、世界の平和と安全保障の維持にとって難しい年になる兆しでしょう。その後、パンデミックが起きて、今も複雑に推移しています。また、大国間の競争も激しくなっています。これは安保理の活動に直接影響を与えています。こうした中、ベトナムは安保理非常任理事国としての任務を全うしているといえます。」
ベトナムの印象
1月の安保理議長国として、ベトナムは、国際社会の注目を集めた2つの会議の開催を提案しました。これらは、世界の平和、安全保障問題の解決に対する国連憲章の重要性に関する国連加盟諸国の認識の向上を目指す討論会、及び、国連とASEANとの連携強化に関する会議です。これらのテーマが安保理で協議されるのは今回が初めてです。先ほどのベト局長は次のように語りました。
(テープ)
「国連憲章をテーマにした討論会は、かつてないほど多くの国連加盟国が参加し、111ヵ国もスピーチをしたことで、安保理の歴史において記録を残しました。また、安保理は初めて、国連憲章の役割を強調する議長国声明を出しました。ASEANと安保理との連携強化に関する会議では、ベトナム東部海域(南シナ海)問題が触れられました。」
2020年のASEAN議長国を務めているベトナムは、ASEANと安保理との連携強化に関する会議を主宰したほか、今年の10月に持続可能な開発に関するASEAN国連対話を行うことを提案しています。
また、ベトナムを含む安保理非常任理事国8ヵ国の提案により、4月の初めに、安保理は新型コロナウイルス感染症について初めてのテレビ会議を行いました。
こうしたベトナムは、国連を始め、国際社会から好評を受けています。これは、安保理非常任理事国としての役割と任務を果たすように努力しているベトナムにとって大きな励ましとなっています。