(VOVWORLD) -2003年当時、ベトナムには6つの宗教に属する15の宗教団体と1700万人の信者しかいませんでした。しかし昨年11月末の時点で、16の宗教に属する40を超える団体が公認され、総人口の27%にあたる2700万人の信者が存在するまでになりました。
2024年4月10日、ハノイ大聖堂でのミサに出席したバチカン市国のポール・リチャード・ギャラガー大司教(左)と駐ベトナム教皇庁代表マレク・ザレスキ大司教(Văn Điệp/TTXVN撮影) |
ベトナムは多様な宗教が共存する国です。宗教を信仰する国民は、平和で調和のとれた環境のもと、法律に従いながら自由に宗教活動を行うことができます。最近では、クメール人が陽気な雰囲気の中で伝統的な正月「チョルチョナムトメイ」を祝うなど、宗教色豊かな風景が広がっています。このように活発な宗教生活が営まれていることから、ベトナムでは信教の自由が十分に保障されていることがうかがえます。
2003年当時、ベトナムには6つの宗教に属する15の宗教団体と1700万人の信者しかいませんでした。しかし昨年11月末の時点で、16の宗教に属する40を超える団体が公認され、総人口の27%にあたる2700万人の信者が存在するまでになりました。
すべての宗教 平等に発展
2700万人の信者のうち、カトリック教会は720万人の信者を抱え、最も勢力を伸ばしています。全国にカトリックの宗教施設が約9000か所設けられています。政府は宗教施設の建設用地を提供しており、ブオンマトート教区にダクラク省から1万1000平方メートル、ダナン教区に同市から9000平方メートル、ラバン教区にクアンチ省から15ヘクタールの土地がそれぞれ提供されています。
4月9日から14日のベトナム訪問の際、バチカン市国の外相ポール・リチャード・ギャラガー大司教は、ベトナム・カトリック教会の発展を喜び、積極的な社会活動への関与を高く評価し、今後もベトナムの発展に貢献することを期待していると語りました。
4月10日夜のハノイ大聖堂での祈りの集いで、同外相は次のように述べています。
(テープ)
「ベトナムに足を踏み入れて2日近くが経ちましたが、政府高官から温かく歓迎されました。私の訪問やその目的に大変関心を払ってくれています。特に印象深かったのは、華やかなハノイ大聖堂を訪れ、そこの信者と一緒に典礼に参加できたことです」
一方、仏教は1450万人を超える最多の信者を擁し、18500を超える寺院が存在します。多くの寺院が修復・補修されており、あらゆる階層から仏教への入門者や参拝者が着実に増加しています。
ホーチミン市のビンギエム寺の住職であるティック・ドン・ホア大徳は次のように語っています。
(テープ)
「ベトナムで信教の自由が保障されていないなどと言うことはできません。私自身がその実例です。私は海外出身の僧侶ですが、ベトナムで出家し修行しており、これまで10年以上宗教の自由を侵害された例はありません。私たちは自由に宗教活動を行い、儀式に参加し、説法する権利があります」
少数民族の多様な宗教文化を尊重
大宗教の信教の自由を確保するだけでなく、ベトナム政府は常に少数民族の信仰や宗教活動を尊重し保護しています。
クメール族のお正月を迎える様子(baochinhphu.vn撮影) |
中部高原地帯テイグエン地方では、政府は伝統文化や信仰、宗教の価値と活動を復興・発展させ、信者の適正な要求に応えるため、法令に基づき宗教施設の建設・改修・補修を支援しています。
ダクラク省のプロテスタント教会エアヒウ小教会のアイ・クロル牧師は、次のように語っています。
(テープ)
「教会の活動においては、すべての行政レベルから便宜が図られており、何の障害もありません。以前は仮設の教会しかなかったのですが、今は立派な教会を建てることができました。この素晴らしい教会ができて、信者一同喜んでいます」
最近では、南部メコンデルタ地域のチャビン省、ソクチャン省、バクリエウ省などに住むクメール族が、伝統的正月「チョルチョナムトメイ」を祝っています。クメール族の人々は家の掃除や飾りつけをしたり、祭りで伝統の舞踊を披露するため稽古に励んでいます。
ソクチャン省に住むタック・ミン・ヴァンさんは次のように述べています。
(テープ)
「私が心待ちにしていた伝統の正月が到来します。地域の人々は皆喜んでいます。正月は互いに交流し、経験を共有し、楽しい雰囲気に包まれる良い機会であり、地域発展の後押しにもなります」
このように、ベトナムでは多様で豊かな宗教生活が営まれており、信教の自由が着実に実現されていることが分かります。これは政治システム全体の一貫した理解と行動、そして宗教団体の一致した熱意によるものです。