(VOVWORLD) - 人間と自然環境の利益に向け生態系の保全と回復を進める必要があると訴えられています。現在、国連と複数の国は自然空間や生態系の破壊に歯止めをかけるため、あらゆる手を尽くしています。
気候変動により深刻な被害を受けている国々の一つであるベトナムは生態系の保全を目指し、様々な適切な行動をとっており、生物多様性の保護に関する世界の共通目標の遂行に積極的に貢献しています。
国連環境計画と食糧農業機関の最新報告によりますと、森林伐採や湖の汚染、沼の枯渇、沿海地域と海洋の過剰開発などで世界の生態系が深刻な危機に直面しています。
国際社会の共通目標を主体的に遂行
ベトナムの資源環境省・環境総局の自然・生物多様性保護局の報告によりますと、森林の減少・劣化が進行している一方、希少な生物の数も低下しています。
こうした事情を踏まえ、ベトナムは生物多様性の保護に関する国際社会の共通目標を主体的に遂行し、その中で生物の多様性の持続可能な開発と保存、森林と海、衰退する湿地の生態系の回復に関する新たな政策、戦略、計画の作成・実施が含まれています。環境総局のグエン・バン・タイ局長は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムの生物多様性は世界の生物多様性の一部分です。ですから、ベトナムをはじめ、世界各国は生物多様性を保護するため、連携する必要があります。第2、国際組織、社会共同体、政府、科学者の協力を必要としています。さらに、中央から地方までの関係各省庁、機関、政治・社会団体も力を合わさなければなりません。」
生態系回復の10年間を始動
これまで、締約した生物多様性に関する条約を基礎にベトナムは生物多様性の保護に関する政策や法的枠組みを作成したほか、管理機関や生物圏保護区などを設立し、絶滅の恐れがある動植物が法律によって保護されています。また、生活と持続可能な発展事業に対する生物多様性の重要性と役割への認識が一段と高まっています。
2021年は2021年から2030年までの「国連生態系回復の10年」がスタートする年です。この10年では、気候危機との闘い、食料安全保障と水供給、そして生物の多様性の保全の強化における効果ある対策として、劣化あるいは破壊された生態系の回復をさらに促進することを目指しています。この目標に応え、ベトナムは2030年までの生物多様性に関する国家戦略、及び2040年までのビジョンを作成しています。環境総局・自然生物多様性保護局のホアン・ティ・タイン・ニャン副局長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「生物多様性に関する国家戦略とビジョンの作成に際し、2030年までの生物多様性に関する国際枠組みの要求を見極めたうえで、ベトナムの実状に見合うような優先的な行動計画を具体化させてゆく方針です。これを通じて、ベトナムでの生物多様性や自然の保護事業は世界規模の生物多様性の保全に貢献するでしょう」
実際、生物の多様性は人間と各国の経済発展に多くの利益をもたらしています。ベトナムはこれをよく認識して生物の多様性の管理や効果的かつ持続可能な活用に尽力しています。