12月14日、ファム・ミン・チン首相率いるベトナム代表団はASEAN＝東南アジア諸国連合とEU＝欧州連合との関係樹立45周年を記念する首脳会議に出席します。ベトナム代表のこの会議への参加はベトナムがEUとの関係を重視し、ASEAN・EU戦略的パートナーシップの強化を支持していることを示します。

平等・互恵という原則に基づくベトナムとEUとの関係は32年の歴史があり、現在、実質的に発展し、新しい発展段階に入っています。また、ベトナムはASEANとEUとの連携強化プロセスにおいても重要な役割を果たしています。

ファム・ビン・ミン副首相＝外務省

ASEAN・EU協力を支持

ASEANの積極的なメンバーとして、ベトナムは常に、ASEANとEUとの広範かつ効果的な協力の促進を支持し、政治・経済・国防・安全保障などの協力体制を設けた最初のASEAN加盟国です。

2020年12月1日にオンライン方式で行われたASEAN・EU外相会議で、ファム・ビン・ミン副首相は、「ベトナムはASEAN・EU協力関係を戦略的パートナーシップに格上げすることを支持する」と確認しました。また、2021年9月に行われた双方の外務次官級会合で、ベトナムの代表は、「ベトナムはASEAN・EUの戦略的パートナーシップを重視し、積極的に貢献していく」と強調しました。

ベトナムはASEAN・EU戦略的パートナーシップに関する自国の公約を履行して、様々な措置をとり、相手国と力を合わせてきました。国際社会の新型コロナウイルス感染症との闘いへのベトナムの貢献や、ウクライナへの支援はその証とみられています。

ASEANおよびEU加盟諸国とともにアジア・太平洋地域における平和・安定の維持と持続可能なグリーン開発などを目指し、ベトナムはCOP26＝国連気候変動枠組条約第26回締約国会議で、力強い公約を出しました。その公約もASEAN・EU戦略的パートナーシップの枠内で発表されたものです。

EUのイゴール・ドリスマンズASEAN大使＝VOV

ASEAN・EU関係におけるベトナムの役割を高く評価する欧州世論

ASEAN・EU関係強化に対するベトナムの積極的な貢献は欧州諸国の政界から好評を得ています。ベルギー上院のアンドリーズ・グリフロイ第一副議長によりますと、インド太平洋において、ベトナムは戦略地政学的位置を占めています。

ベトナム経済はASEANのサプラインチェーンにおける重要な一部であり、マクロ経済の安定や、日増しに拡大する消費市場、政治的安定、統一のとれた経済開発政策など多くのメリットがあります。そのため、ベトナムはASEAN・EU関係において重要な役割を果たしているということです。

一方、EUのイゴール・ドリスマンズASEAN大使は、「ベトナムはEUの重要なパートナーであるだけでなく、ASEANの重要な加盟国でもある。これは関係各側の協力深化のための強固な土台になる」との見解を表明しました。

こうした中、ASEANとEUとの関係樹立45周年を記念する首脳会議で、チン首相は、再生エネルギーや、グリーン開発、持続可能な開発、デジタルトランスフォーメーションなどに関するベトナムの公約を発表する予定です。これらはEUの優先課題に合致するものです。そして、ベトナムは、「今後も、平等・互恵という原則に基づくEUとの関係、および、ASEAN・EU関係の深化に力を入れていく」方針を打ち出しています。