ベトナムとEUは2015年12月にFTAの交渉を正式に終結することに関する宣言に署名しました。2016年に発効された全面的協力パートナーに関する枠組み協定とかたわら、ベトナムとEUがFTAを締結することは双方関係を新しい発展段階に押し上げることになることが期待されています。

双方の優先課題

ベトナムとEUがFTAの交渉を正式に終結することに関する宣言に署名した2015年12月以降、ベトナムでの投資環境は大きく改善されてきました。投資に関する法的改革と行政手続きの簡素化はオープンな投資環境を作り出しています。現在、ベトナム政府は行政手続きと経営環境の改善、企業の生産コストの削減を行うと共に不正取引の防止に全力を尽くしています。

一方、ベトナムはEUとのFTAにおける労働・社会に関連する公約を履行するため、労働法の改正を精力的に進めています。計画によりますと、労働法の改正案が2018年に国会により採択される見通しです。これと同時に、ベトナムは強制労働の廃止に関する条約、結社の自由に関する条約、集団労働に関する条約など

ILO＝国際労働機関の3件の条約を批准します。労働傷病軍人社会事業省のダオ・ゴック・ズン( Dao Ngoc Dung) 大臣は次のように語りました。

（テープ）

「ベトナムはEUとのFTAの締結のため、法的基礎の完備を優先課題として位置づけています。ベトナムはEUと緊密に協力して、発生する問題の解決に全力を尽くします。ベトナムは自らの公約を厳格に履行します。ILOが出した最も重要な8件の公約のうち、これまでベトナムは5件を批准しており、残りの3件をロードマップに従って批准します」

EU交渉団のマウロ・ペトリクシワン団長は「これまで、ベトナムとEUは大きな進歩を遂げてきたが、この協定を早期に批准するため、今後、全力を尽くす」と明らかにし、次のように語りました。

（テープ）

「我々は来年中にベトナムとEUとのFTAが発効されるように全力を尽くしています。これは質が高い協定で、アジアに対するEUの貿易政策における柱の一つとされています。現在、我々は法的書類の準備とその書類の翻訳を進めて、今後、欧州評議会と欧州議会に提出します。この作業ができるだけ早く進められるように全力を尽くしています」

EUはベトナムの努力を高く評価

在ベトナムユーロチャムの代表部の一員である ジャン＝ジャック・ブッフレさんは「行政手続の近代化におけるベトナムの取組を支持する」と強調すると共にベトナムとEUとのFTAが履行されたあかつき、ベトナムとEU企業を効果的に保護するものとなると明らかにしました。ベトナム外務省所属外務と地方担当局のグェン・ホアン・ロン( Nguyen Hoang Long) 局長は次のように語りました。

（テープ）

「私は欧州議会を始め、ベトナムを担当する欧州委員と会合を行いました。彼らはいずれも、ベトナムとのFTAの締結、批准を支持しています。今後、この協定が早期に批准し、双方の願望に応えることを望んでいます」

ベトナムとEUとのFTAが2018年始めに批准され、そして、欧州議会は3ヶ月間にわたり、この協定を批准しますが、このロードマップが実施されるように、双方の努力は重要な意義を持っていることでしょう。