(VOVWORLD) -ベトナムとシンガポールは、1973年8月1日に外交関係を樹立しました。45年間にわたって、両国関係は絶え間なく発展しています。
フック首相(左)とリー・シェンロン首相首相が、両国の各省庁による覚書の調印式に立ち会った。(http://vneconomy.vn) |
東南アジア地域に位置するベトナムとシンガポールは、それぞれの国の重要性を早めに認めました。これまでに、両国は戦略的パートナーとなっています。二国間の協力は、多くの分野において拡大されるだけでなく、ASEAN共同体の構築過程においても効果的に協力してきました。
友好関係の土台
ベトナムとシンガポールとの関係について言うならば、ベトナムの故ボ・バン・キット元首相とシンガポールの故リー・クアンユー元首相との密接な関係を抜きには語れません。彼らは、両国関係の急速な発展に大きな功労がありました。
シンガポールの「建国の父」と呼ばれたリー・クアンユー氏は、生前、ベトナムを何度も訪問しました。1994年に、両国の元首相は、ベトナムにおけるシンガポール風の工業団地という構想を提示しました。その2年後に、ベトナム南部ビンズオン省にベトナム・シンガポール工業団地が開設されました。それ以来、全国各地では、7箇所のベトナム・シンガポール工業団地が設置されました。これらは、両国間の経済協力を示す証となっています。
現在、シンガポールのケッペルランド社や、キャピタランド社、メープルツリー社、アセンダス・シンブリッジ社などの不動産会社は、ベトナムにおいて長期的な投資プロジェクトを実施しています。その他、ジャンボや、ヤクン、ヒル・ストリート、パスタマニアなどシンガポールの幾つかの有名な飲食店は、ホーチミン市に支店を開設し始めました。
今日の二国間協力
ベトナムとシンガポールとの関係の中で、重要な柱の一つは、経済協力であると確認されています。両国間の貿易総額は年を追って増加しています。ベトナム・シンガポール間の経済連携枠組み協定が2006年に締結されてから、2017年までに双方の貿易総額は倍増に当たる約220億ドルに達しました。現在、シンガポールは、ベトナムにおいて、430億ドル相当の1800件の投資プロジェクトを実施しており、ベトナムにとってASEAN加盟諸国の中で第1位、また世界第3位の投資国となっています。
現在、両国間の協力は、工業団地、不動産などに限らず、他の多くの分野にも拡大される方針です。この傾向は、ベトナムが第4次産業革命を目指す背景の中で、ベトナム経済の需要に合致していると評価されています。
他方、人材育成は両国関係の中でも目立っています。ASEAN統合イニシアティブに基づいて、1992年以来、ベトナムの1800人の幹部が、シンガポールでの人材育成協力プログラムに参加しました。
その他、医療や文化、観光などの分野においても両国の協力関係も発展しています。2016年にベトナムを訪れたシンガポール人観光客の数は、2015年と比べ8.7%増に当たる、延べ26万人にのぼりました。
未来へ向かう
さらに、ベトナムとシンガポールは、二国間の協力を強化する傍ら、ASEANや、APEC、ASEM、国連など国際場裏においても緊密に連携しています。地域の戦略的安全保障問題、とりわけベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)問題について、両国は積極的に協力し合い、ASEANの共通立場の保護に取り組んでいます。両国は法の支配という精神を掲げて、地域におけるASEANの中核的な役割の向上を信頼しており、統一したASEANの構築に向けて決意を固めています。
今年2018年に、ベトナムとシンガポールは、国交樹立45周年と戦略的パートナーシップ設立5周年を記念します。これは、両国が、過去の発展道のりを振り返ると共に、今後のさらなる広範な協力計画を立てるチャンスであるとしています。