(VOVWORLD) -既にお伝えしましたように、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相の招きに応え、12日、ベトナムのグェン・スアン・フック首相は、ニュージーランド公式訪問を開始しました。
両国の首相による会談の様子 |
この訪問は、フック首相が就任して、初の訪問となり、ベトナム・ニュージーランドの全面的なパートナーシップに新たな原動力を作り出すと期待されています。
フック首相によるこの訪問は、ニュージーランドがベトナムとの関係を一層強化したい意向にあり、地域におけるベトナムの役割と地位を重視し、また、ベトナムを通してニュージーランドとASEAN=東南アジア諸国連合との関係を推進したいという背景の中で行われています。そのため、今回の訪問は両国にとって重要な意義を持っています。
ベトナム・ニュージーランドの戦略的なパートナーシップを目指す
ベトナムとニュージーランドは1975年に外交関係を樹立しました。また、両国は、2009年に全面的なパートナーシップを樹立し、2015年に、戦略的なパートナーシップを目指しており、全面的なパートナーシップを強化、深化させることで一致する共同宣言を出しました。さらに、2017年11月にベトナムで開催されたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議の枠外で、ベトナムとニュージーランドは2017年~2020年期の行動計画を締結しました。
ニュージーランドは、アジア太平洋地域政策の中で、ベトナムを重要な要素と見なす一方、経済分野では、ベトナムを潜在力のある相手国として評価しています。ベトナムのニュージーランド向けの輸出総額は19位に立っています。2017年、両国の貿易総額は9億ドルを超えました。現在、ニュージーランドはベトナムの第31番目の貿易相手国となっています。
両国の高級指導者らは、2020年までに、両国の貿易総額を17億ドルにするという目標を掲げています。現在、ニュージーランドはベトナムにおいて登録資本金1億ドル以上相当の28件の投資プロジェクトを実施しています。
また、ニュージーランドは、2015年7月から2018年6月にかけて、ベトナムにおける貧困解消や、農業開発、医療、教育などの分野に約1900万ドルのODA供与額を公約しています。
他方、教育はベトナムとニュージーランドとの関係の中で、注目すべきことでもあります。統計によりますと、現在、約3000人のベトナム人の学生がニュージーランドで勉強をしています。ニュージーランドはベトナム人学生が在学している国々の中に9番目となっています。
地域と国際の場では、ベトナムとニュージーランドは互いに支持しあっています。両国は、RCEP=東アジア地域包括的経済連携協定の交渉を早期に終了させました。
ニュージーランド・ASEANの戦略的なパートナーシップに積極的に寄与する
ニュージーランドは常に、ASEANの役割を重視しています。双方は、2015年11月にパートナーシップ樹立40周年を記念した際に、その関係を戦略的なパートナーシップに格上げしました。双方は、地域への広範な参入の強化を公約し、2025年までのASEAN共同体ビジョンの目標達成、2016年~2020年期の行動計画の効果的展開に寄与することになっています。これは、戦略的なパートナーシップを現実化させることが狙いです。
ニュージーランドは、「人間」と「繁栄」に関する戦略履行の為に、向こう3年間に2億NZドルを拠出することで公約しました。これは、ASEAN・ニュージーランド行動計画の目玉として見なされています。現在、ASEANはニュージーランドの第5位の貿易パートナーとなっています。
その一方で、ベトナムは常にASEAN・ニュージーランドの戦略的なパートナーシップを重視しており、双方の協力の成果を歓迎、支持しています。ASEANの積極的な一員であるベトナムは常に、多くの分野におけるニュージーランドの協力を高く評価しています。
こうした基礎で、フック首相によるニュージーランドの訪問は、両国間の全面的なパートナーシップの深化に原動力を作り出し、将来における両国間の協力分野を拡大させる前提であると期待されています。