チュオン・タン・サン国家主席夫妻の招きに応じて、ハンガリーのアーデル・ヤーノシュ大統領夫妻は27日と8日の両日、ベトナムへの国賓訪問を行っています。この訪問は両国間の伝統的友好協力関係の強化に寄与するものとみられています。
2013年にハンガリーを国賓として訪問したサン主席とヤーノシュ大統領
中欧に位置するハンガリーは、GDP=国内総生産がおよそ1970億ドルで、一人当たりの年収はおよそ2万ドルとなっています。1960年代から、経済の自由化を進め、そして、1990年代から市場経済体制を確立しました。1997年からこれまで、同国は安定的に発展しており、GDPの年平均伸び率が4~5%に達しています。
外交政策に関して、ハンガリーは、EU=欧州連合への参入を進めながら、ベトナムを含むASEAN諸国との関係強化を重要視しています。特に、ハンガリーは新興国との経済関係を重視し、ベトナムとの関係深化を自国のルークイースト外交政策の柱として見做しています。
65年の歴史を持つ国交
ベトナムとハンガリーとの伝統的友好と多面的協力関係は65年の歴史を持っています。ベトナム戦争時代に、ハンガリーはベトナムを効果的に支持・支援しました。当時、ベトナムを支援する募金運動だけでなく、献血運動も行われました。
戦争終結後も両国は良好な関係を維持し、特に、1992年からこれまで、その関係が絶え間なく発展してきました。経済分野に関して、両国間の商取引は着実に増えています。今年1月から8月までのその額はおよそ1億14万ドルに達しています。また、ハンガリー企業はベトナムで、総額4730万ドル相当の投資プロジェクト12件を行っています。さらに、ハンガリーはベトナムを自国のODA=政府開発援助の優先対象とみられています。
一方、文化関係も順調に発展しています。2013年3月、両国は文化協力協定を締結しました。特に、教育協力は、両国関係の目玉と見られています。戦争時代に、ハンガリーはベトナム人幹部3500人を育成しましたが、現在も、大学教育や、専門家育成、技術者教育などの分野で、ベトナムを支援し続けています。
国交強化に原動力をつける訪問
こうした中、両国は、その関係の強化に力を入れています。これまで、双方は相互訪問を頻繁に行っています。最近、サン国家主席はハンガリーへの国賓訪問を行いましたが、これは両国関係に新しいチャンスをもたらしたものと評されています。これを通じて、両国の指導部は今後もその関係を促進していくという決意を固めました。
ハンガリーのアーデル・ヤーノシュ大統領の今回のベトナム国賓訪問が、両国間の協力プロジェクトの効果向上や、企業間の協力の深化に寄与し、両国間の全面的協力関係と伝統的友好関係に新しい原動力を作り出すものとなることが期待されています。