ベ トナムのグエン・タン・ズン首相の招きに応え、ロシアのメドベージェフ首相は5日から7日にかけてベトナム公式訪問を行なっています。ベトナムとロシアと の政治的信頼が絶え間なく強化されている背景の中で、行なわれているこの訪問は両国の戦略的かつ全面的パートナー関係の強化に原動力となるとみられます。
ベトナムとロシア、真の関係
ベ トナムは独立、自主、平和、協力、発展の対外路線を堅持する際、ロシアを重要で信頼にたるパートナーと見做しています。一方、ロシアはかつての民族 解放闘争と現在の建設発展事業ともでベトナムに大きな人的物的支援を与えています。
ロシアのメドベージェフ首相はベトナム訪問を前に、ベトナムの記者団の インタビューに対し、次のように強調しています。
(テープ) Medvedev 1
「私 たちは真の関係で結ばれています。これは事実です。言葉のレトリックではありません。これは自然に発展している関係です。レニングラードでベトナムの友人 や同志と初めて出会った思い出を語ったことがありますが、その時と今も気持ちに変わりはありません。これらの出会いは親しい友人の出会いです。」
ベ トナムとロシアとの政治的信頼はあらゆる分野において両国の協力を促進してきました。2001年3月、両国の戦略的パートナー関係が構築され、また、 2012年、この関係は戦略的かつ全面的パートナー関係に格上げされてから経済、貿易、投資、国防・安全保障を中心にダイナミックな発展を遂げています。
双方協力、大きな進展を見せる
2014 年、両国の商取引額はおよそ40億ドルに達し、90年代の4億ドルと比べると、雲泥の差があります。現在、ロシアはベトナムに対し、およそ20億ドル相当 の投資プロジェクト106件を行なっており、対ベトナム投資を行う101の国と地域の中で17位にあります。
また、これらの投資プロジェクトは鉱産物開 発、加工、製造産業などに集中していますが、最近は銀行、通信分野に拡大されてきました。一方、この数年、ロシアに対するベトナムの投資が急増し、件数は 19件、投資額はおよそ25億ドルに達しています。
2014年末に、ベトナムとロシア、カザフスタン、ベラルーシ3カ国の関税同盟は自由貿易協定交渉の基 本的終結に関する共同声明に調印しましたが、今年中、正式な締結が予定されています。
と ころで、エネルギーはベトナムとロシアの重点的協力分野です。これまで、両国はベトナム、ロシア、及び第3国での石油ガス開発の協力拡大を目指し、ベトソ ペトロ社をはじめ、ラスベトペトロ社やベトガスプロム社などの合弁企業を設立しました。
ロシアのメドベージェフ首相はベトナムの記者団の取材に対し次のよ うに語りました。
(テープ) Medvedev 2
「両国は従来から大陸棚での開発で協力し合っています。代表的な合弁企業ベトソペトロ社が旧ソ連時代から、設立されました。これは互恵利益の協力です。ロシアの大手企業ザルベニエッフ(Zarubezhneft)やガスプロムなどはベトナムの企業と合弁会社を設立しています。」
国際場裏で緊密に協力
ベ トナムとロシアは緊密な二国関係で結ばれた上で、地域と国際問題、中でもアジア太平洋地域での領土紛争の解決で同様の立場を示しています。両国は国際法に 従って、武力行使をせず、平和的措置で、紛争を解決する立場を堅持します。
ロシアはASEANにおけるベトナムの地位を高く評価し、ベトナムをASEAN 諸国との関係の強化に際し、重要な糸口と見做しています。
メ ドベージェフ首相による今回のベトナム訪問を機に両国は2014年の優先課題の実施状況を点検するとともに2015年の優先課題を定めます。また、高級レ ベルの合意書を展開すると同時に共に関心を寄せている地域と国際問題について話し合う計画です。
また、この訪問は両国の戦略的かつ全面的パートナー関係、 両国の指導者の相互信頼と相互理解の強化に寄与するものとなるでしょう。