既にお伝えしましたように、5日と6日の両日、中国の習近平国家主席夫妻はベトナム訪問を行っています。中国の最高指導者がベトナムを訪問するのは9年ぶりのことです。この訪問は両国関係にとって重要な意義を持つものとされています。
今年4月に北京で会ったチョン書記長と習国家主席
習国家主席のベトナム訪問は両国関係が積極的に発展している背景の中で行われるものです。そして、今年はベトナム・中国国交樹立65周年を記念する年でもあります。
良好な政治関係
両国の政治関係に関し、これまで、両国は多くの協定と合意文書を締結し、長期的な協力に基礎を作り出してきました。双方は訪問団交換を頻繁に行っています。特に、今年4月に、ベトナムのグエン・フー・チョン党書記長は中国を訪問しました。
また、9月に、チュオン・タン・サン国家主席も反ファシスト戦勝70周年記念式典に列席するために中国を訪問し、シュウ国家主席と会見しました。さらに、8月に、ニューヨークで、グエン・シン・フン国会議長は中国全国人民代表大会常務委員会の張徳江委員長と会見しました。そして、今年7月に、中国の張高麗副首相はベトナム訪問を行いました。
これらの席で、両国の指導者らは、両国関係の発展方向、協力強化策などに関する共通認識に至りました。同時に、両国の共産党、および、各地方との協力、民間交流、青年交流なども積極的に促進されています。
経済関係の発展
両国間の経済関係も迅速に発展しています。2004年以来、中国はベトナムの最大の貿易相手国となっています。今年1月から9月に、両国間の貿易額はおよそ492億ドルに達し、前年同期と比べ、16%増加しています。投資活動に関して、今年9月末現在、中国は、ベトナムに対し84億ドル相当の1177件のプロジェクトを行い、ベトナムに投資を行っている国々の中で、9位となっています。
経済関係の強化を目指し、両国は、10月に第9回経済・通商協力合同委員会会議とインフラ整備協力に関する閣僚級会議を、そして、7月に、財政・金融協力に関する作業部会会議などを行いました。
国境・領有権問題解決
国境・領有権問題に関し、現在、両国間の陸上国境と北部湾いわゆるトンキン湾での国境の状況は安定しています。これまで、両国は7回にわたり航海に関する協定を、そして、5回にわたり北部国境地帯バンゾク滝での観光協力に関する協定を交渉してきました。
ベトナム東部海域いわゆる南シナ海問題に関し、両国は交渉を継続する方針を打ち出しています。今年4月に行われたチョン書記長の中国訪問の際に、双方は両国の指導部が達成した共通認識や、「海上問題解決に関する基本的原則」を遵守することで一致しました。また、領海に関する主張の隔たりを埋めるために平和的交渉を維持し、DOC=海上行動宣言を遵守し、COC=行動規範を早期に作成することにも合意しました。
こうした中、今回の習近平国家主席のベトナム訪問は、両国関係の新しい節目になると期待されています。