ベトナムと中国との関係


既にお伝えしましたように、ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長は、中国の習近平国家主席兼党総書記の招きに応え1月12日から15日にかけて中国公式訪問を行っています。チョン書記長の訪問は両国関係を強化し、その新しい発展段階を切り開くものでもあると評されています。


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中国駐在ベトナムのダン・ミン・コイ特命全権大使

この訪問は、両国が国交樹立67周年を記念する背景の中で行われ、両国の指導者らがそれぞれの国の国益や、地域と世界の平和、繁栄へ向けて、両国関係の安定的かつ健全な発展の強化策を討議するためのチャンスとされています。


主流となった友好・協力

ベトナムと中国は伝統的友好関係があります。その関係はベトナムのホーチミン主席と中国の毛沢東主席をはじめ両国の各世代の指導者らが培ってきたもので、両国国民の貴重な財産と見られています。その関係は歴史の多くの浮き沈みを経てきましたが、友好・協力は主流となっています。

両国が国交を正常化した1991年からこれまで、その関係は多くの分野で迅速に発展してきました。2008年、両国は国民の利益や、世界の平和、安定、発展へ向けて、両国関係を全面的戦略的パートナーシップに格上げしました。

これまで、双方は、各レベルの会合・交流を頻繁に行い、政治的信頼や、協力の実質的な発展の強化に力を入れてきました。特に、両国の各省庁、地方間の協力は維持され、具体的な成果をもたらしています。これに関し、ベトナムのダン・ミン・コイ中国大使は次のように語りました。

(テープ)

「ベトナムと中国の各地方間の協力は重要です。両国が国交を正常化した1991年から、ハノイや、ホーチミン市、両国の国境地帯にある各地方をはじめベトナムの各地方と中国の各地方との協力は迅速に発展してきました。その協力は、両国間の取引関係や、教育協力などに役立っています。」

経済関係に関しては、両国間の貿易関係が順調に発展しています。両国は、今年の貿易額が1000億ドルに達するために取り組んでいます。また、観光協力も強化されています。昨年、ベトナムを訪れた中国人観光客数は230万人に達し、前年と比べ60%増となりました。これは両国国民間の交流の強化にも寄与しています。


不一致解決のための努力

しかし、両国関係には、領海問題をはじめ幾つかの不一致が存在しており、それを解決するためには双方の努力が求められます。ベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)での最近の情勢から見れば、あらゆる紛争を国際法に従って平和的措置で解決することの重要性が増えるといえます。これまで、両国の指導部が数回にわたり協議し、国際法とそれぞれの国の国益の尊重などを基礎に共通認識を達成しました。

双方は、その共通認識や、ハイレベルな合意、「海上問題解決を指導する基本的な原則」に関するベトナム・中国の合意を効果的に履行すること、国境に関する政府級交渉体制を活用すること、海上問題を管理し情勢を複雑化せず紛争を拡大させないこと、DOC=海上行動宣言を履行すること、COC=行動規範の早期制定を進めること、1982年国連海洋法条約を含め国際法に従って紛争を平和的措置で解決することで一致しました。

これに関し、先ほどのコイ大使は次のように語りました。

(テープ)

「中国は大国であり、台頭しています。2010年から中国は世界第2の経済大国となりました。そして、科学技術など多くの分野で多大な成果を収めてきました。しかし、アジア太平洋地域が安定しなければ、中国は発展できません。これは中国の利益だと思います。中国側との会合で、これを指摘してきました。中国は、自国が台頭し、世界の平和・安定に積極的に貢献することを世界に見せる必要があります。」

今回のチョン書記長の中国訪問は、ベトナムの党と政府、国民が中国との善隣、友好、平等と互恵の原則による協力を優先課題として重視していることを再確認するものと見られています。そして、これが両国関係の強化に積極的に貢献するのは間違いないでしょう。

 

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