今年１１月末までにベトナムに対する新規投資額は23％増となり、実行額は昨年同期と比べ、15％増にあたるおよそ200億ドルに達しました。一月の平均額としてはこの5年間で最高を記録しました。

外資系企業 ベトナムの回復を確信

外国人投資家は新型コロナウイルス感染症収束後のベトナム経済回復の可能性を楽観視しています。ベトナムが締結した自由貿易協定はASEAN、および世界各国との連携の強化に役立ち、ベトナムの強みとなっています。計画投資省によりますと、加工・製造業はアップルやレゴ、サムスンなどの大手企業の質が高く、持続可能な開発を目指す投資プロジェクトが大多数を占めているとしています。計画投資省外国投資局のド・ニャット・ホアン局長は次のように語りました。

（テープ）                       

「加工業や電子製造業への投資プロジェクトは順調に増加し、投資プロジェクト総数のおよそ6割を占めています。今年は、半導体エコシステムに対する投資プロジェクトも登場し、ベトナムに対する外国投資は徐々に質が高まっています」

アラン・カニー会長(doanhnghiephoinhap.vn)

一方、ベトナム駐在ユーロチャムのアラン・カニー会長は次のように強調しました。

（テープ）

「ベトナムは欧州企業に大きな投資チャンスをもたらしており、我々はベトナムの中・長期の展望を楽観視しています。今後2,3年にベトナムの地位は向上し、ダイナミックな投資先となるでしょう。COP26でベトナムが質の高い投資の誘致やグリーン成長に関する公約を示した後、欧州の企業はベトナムの投資環境をこれまで以上に高く評価しています。ベトナムは公約の実現に尽力しており、エネルギー転換、持続可能な成長、技術移転を目指し、法的にも財政的にも有利な環境を整備しています。新規投資認可額ではなく、投資の実行額を評価した方がいいと思います。今年の実行額は記録的な数字になるでしょう」

また、デンマークの玩具大手レゴのニールス・クリスチャンセン最高経営責任者は次のような見解を述べています。

（テープ）   

「ベトナムで建設中の工場はレゴにとって世界で6か所目の生産拠点となり、太陽エネルギーを使用する初の環境配慮型の温室効果ガス排出量ゼロの「カーボンニュートラル（脱炭素）」工場となりました。この工場はほかの5か所の生産拠点と同様に我が社のサプラインチェーンに参加し、東南アジア地域の顧客にベトナムで生産される製品を提供していきます。新型コロナ抑制後のベトナム経済の回復は私たちにベトナムでの長期的な事業を行うため、我々に信頼感を与えています」

ベトナム 投資環境の改善に努力

世界情勢が予想できないほど激変する中で、ベトナム経済は多くの困難に直面すると予測されますが、長期的にみると、ベトナムは外国企業や組織にとって魅力的な投資先であると評されています。ベトナム駐在アメリカ商工会議所のヴァージニア・B・フット副会頭は次のように語りました。

（テープ）

「ベトナムは投資環境の改善、人材面での課題解決、ロジスティックスの開発、感染症への対応に尽力していく必要があります。新型コロナは投資家の選択に影響を与えています。というのは投資家は魅力的な投資環境、安い人件費、グローバルサプライチェーンによる付加価値の利用と技術移転が可能な投資先を選ぶからです」

党と国家、政府の適切な政策は外資系企業からの信頼を厚くしています。統計総局・建設投資統計局のフィ・ティ・ホアン・ガ副局長は次のように語りました。

（テープ） 

「外国投資の誘致はベトナム経済をけん引しています。ベトナムは政治とマクロ経済の安定維持、若い人材、新型コロナの効果的な抑制、投資環境の改善で今後も投資誘致を促進していくでしょう」

外国直接投資プロジェクトの質を向上させるため、ベトナムは投資振興や国際基準に準拠する外国投資政策の完備、公開性、透明性、競争力の向上、投資形態とパートナーの多様化に努力し、外資系企業と国内経済セクターとの連携を強化し、経済再構築、および持続可能な開発を目指しています。