ベトナム各地に春がやってきました。春を迎えるにあたり、ベトナム国民は平穏で幸福な一年への希望を沸かせています。ベトナムは今日が旧正月テトの元日にあたり、皆、厳かに過ごしています。そんなベトナムの祝日、ハノイから特別番組をお送りしますので、どうぞ、私たちの方向をお聴きください。
はじめに、ベトナムの刷新と参入事業についてお伝えします。
1986年にベトナムのドイモイ=刷新事業が開始されてから、今年はちょうど30年となりました。この事業でベトナムは様々な業績を収めてきましたが、今後、国際社会への参入に向け、刷新を進めなければならないとしています。
2015年、ベトナムの経済社会発展は多くの成果を見せました。GDP=国内総生産の伸び率は6.68%に達し、目標値の6.2%を上回って、この5年間で最高を記録しました。また、インフレが抑制され、マクロ経済が安定するとともに消費者物価指数の増加率は0.6%以下に抑えられ、この15年間で最低となっています。さらに、工業生産高や信用成長(資金貸出成長)率はかなり増加して、銀行の上限金利は適切に調整され、外貨為替相場が安定して、外貨準備高は過去最高となりました。そして、各文化社会分野は進展を見せ、国民の生活水準が向上してきました。
一方、外交分野に関し、二国間、多国間の面で成功が収められたといえます。ベトナムは国家、民族の利益を第一義に位置づけ、国の建設防衛事業に有利な条件を作り出すとともに国際社会への参入を新たな段階に押し上げた上で、ASEAN加盟諸国と一緒にASEAN共同体の構築を成功させました。また、ユーラシア経済連合と自由貿易協定の交渉を終結させ、韓国と自由貿易協定を締結しました。さらに、ベトナムは参加の11カ国とともにTPP=環太平洋経済連携協定の交渉で大筋合意を達成し、国内の経済貿易発展に明るい未来を開くとみられます。
2016年に入り、ベトナム国民はこれらの成果を発揮して、チャンスを生かす一方、試練に対応する姿勢を整えています。今後、生産の発展、輸出市場の拡大、外国直接投資誘致の促進、雇用創出の強化に力を入れてゆくとしています。また、迅速かつ着実な発展に向け、国際社会への参入を加速し、平和で強固なベトナムの建設を目指しています。
30年前の1986年、ベトナム共産党がドイモイ=刷新を打ち出したことはベトナムの国際社会への参入と発展に大きなチャンスと機運をもたらしたとされています。先頃、ハノイで開催された第12回共産党全国代表大会は新たな政策と路線を打ち出し、ドイモイ=刷新事業に新風を吹き込むと期待されています。また、交渉、締結された自由貿易協定は世界経済への参入に大きな道を切り開くでしょう。
今年は第12回党大会決議、また2016年から2020年期の経済社会発展計画を実施する初年度となり、成長モデルの刷新、グローバル・サプライ・チェーンへの参入の促進を目的として掲げられています。