かつて、ノルウェーで、ベトナムの民族解放闘争を支持する反戦運動が幅広く行われました。現在、ノルウェーは、ベトナムの貧困解消・経済成長を大きく支援しているとともに、国連やWTO世界貿易機関、世界銀行など国際場裏でのベトナムとの連携を強化しています。

経済協力 拡大

フック首相による今回のノルウェー訪問の主要な目的の一つは両国の貿易・投資協力を拡大させるということです。2006年11月、両国は貿易協力覚書を締結したほか、両国の貿易・投資協力を強化するための合同作業グループを設立しました。

ノルウェーは、ベトナムのWTOへの加盟に関する交渉を早期に完了させた国の一つです。また、2012年3月、ノルウェー、アイスランド、スイス、リヒテンシュタイン公国の4か国からなる欧州自由貿易連合とベトナムはFTA=自由貿易協定に関する交渉を開始しました。これに先立ち、同連合はベトナムの市場経済体制を認めました。

2018年、両国の貿易総額は3億6300万ドルに達しましたが、まだ両国の潜在力に相応しくないとみられています。現在、ノルウェー企業によるベトナムへの投資プロジェクトは41件で、その投資額は1億6600万ドルです。これにより、ノルウェーはベトナムに投資している130の国と地域の中で、41位に立っています。

多面的かつ効果的協力

経済の他、両国の協力は他の分野においても効果的に展開されています。現在、ノルウェーは、国連が展開しているUN-REDD「途上国における森林減少・劣化による二酸化炭素排出の削減に関する取り組み」の枠内で、ベトナムの最大の支援国となっています。

2012年12月、両国はUN-REDDの展開に関する共同声明を締結しました。この声明によりますと、ノルウェーは、ベトナムに3千万ドルの援助を提供し、2013年から2015年までベトナムの6つの省で試験的に行いました。

そのほか、ノルウェーは、教育、医療、資源管理、再生エネルギー、PKO国連平和維持活動などの分野においてもベトナムを支援しており、これらの支援は効果をあげていると評されています。

このように良好に発展している両国の協力関係は、フック首相による今回のノルウェー訪問により、一段と強化されることは間違いないでしょう。