ベトナム学研究の強化へ ベトナム学国際シンポジウム
12月15日と16日の両日、4年に1度の割合で行われている第5回ベトナム学国際シンポジウムがハノイで開催されています。1998年に初めて開催されたベトナム学国際シンポジウムは、ベトナムの現代的課題について話し合われ、その解決策を見出すためのフォーラムです。また、世界各国のベトナム学の研究者を集めて、ベトナム学に関する国際組織を設立することも狙いです。
ロシア語によるベトナム学研究の本
ベトナム学国際シンポジウムの道のり
1998年の第1回ベトナム学国際シンポジウムは27カ国から300人以上の学者や研究者が参加し、395件の報告が出されました。第2回シンポジウムは2004年に行われ、316件の報告がありました。2008年の第3回シンポジウムでは、531件の報告があり、2012年の第4回シンポジウムには、36の国と地域から約1000人の学者や研究者が参加しました。
そして、今年の第5回シンポジウムは「グローバル化時代の持続可能な開発」をテーマとして、約700件の報告が出される見込みです。
ベトナムの現代的課題の解決へ
今回のシンポジウムは、外交・国際協力、文化、教育と人材開発、技術移転、経済と生計、気候変動といった6つのテーマに分かられています。組織委員会の委員長を務めるハノイ国家大学のグエン・フウ・ドク副学長は次のように語りました。
(テープ)
「かつて、私たちはよく人文社会科学関連問題に集中していましたが、現在は、科学技術、教育、特に、気候変動へと拡大しています。その意味で、このシンポジウムは、ベトナム学研究者に学問について話し合う場を提供するだけでなく、ベトナムの現代的課題の解決も目指すものです。」
このように語ったドク副学長は、今回のシンポジウムで、国際社会におけるベトナムのアイデンティティの確保、持続可能な開発に対する文化の役割、教育の刷新、気候変動対応と環境保護の強化などベトナムの差し迫った課題について話し合われると明らかにしました。
ベトナムの政策策定への活用
現在、世界で、ベトナムに関する研究報告は約4万件にのぼっておりますが、その中の約半分は外国の研究者によるものです。ベトナム学国際シンポジウムを通じて、ベトナムに関する研究報告を集めて、ベトナムに関する研究者のネットワークを作り、ベトナムの発展に寄与すると期待されています。ハノイ国家大学のヴ・ミン・ザン教授は次のように語りました。
(テープ)
「シンポジウムは、ベトナムに関する最新研究報告を受けるよいチャンスです。4年に1度、世界各国の研究者らが、最新の研究成果を持ち寄っています。これはベトナムにとって有益なことです。私たちは、彼らの研究結果を知るだけでなく、その研究方法を学んだり、ネットワークを作ったりすることができるのです。」
ベトナム学国際シンポジウムで発表される報告はまとめられた上で、ベトナムの政策策定に活用されています。