アメリカ国務省は10日、世界の宗教の自由に関する年次報告書2015を発表し、世界200か国以上の内政に関する包括的概観を明らかにしました。その中で、ベトナムの宗教状況を前向きに評価しているものの、偏見も示されていました。
報告書の中で、アメリカ国務省はベトナム政府は宗教、信仰の自由の確保や宗教・信仰の自由法案に対する国民の意見集約に力を入れてきたことを評価し、各宗教の聖職者の意見を引用し、ベトナムの宗教の自由が一段と拡大されていることを認めています。その一方で、アメリカ国務省はベトナムがいくつかの宗教を弾圧し、渡航や教育、医療分野への宗教の参加を制限し、宗教管理に関する規定は未登録の宗教活動の制限を目指すことを糾弾しました。
ベトナムの宗教の自由が確保される
実際、ベトナムの各宗教の活発な活動や人権の確保を目指す「法の支配」原則はベトナムの宗教状況に関するアメリカ国務省の不正確な見方を否定するものとなっています。これまで、ベトナムは宗教・信仰法令に代わる宗教・信仰法案を策定し、ベトナムの宗教状況に見合う内容を補足してきました。また、法案には宗教を信仰する主体は一般の人々であると明記し、ある宗教を信仰する、又は信仰しないという個人の自由権を強調するとともに、誰であろうとも宗教・信仰の自由を侵害してはならないとしています。また、宗教・信仰の自由を利用して、国家、国民、宗教組織を侵害するのは禁物です。この法案はベトナム国家のオープンな宗教政策を示すものであるといえます。また、宗教・信仰法案の策定は宗教・信仰活動により良い法的裏づけを作り出すとともに宗教・信仰の自由を強化することが狙いです。この法案は国民の意見集約を基礎に充実され、国会に提出されます。
ベトナムで開催された2014年の国連ウェーサーカ祭
従来から、ベトナムの宗教・信仰の自由は適切な行動で確保されています。宗教的儀式は自由に行われています。ちなみに、毎年、キリスト教のクリスマスや仏教のウェーサーカ祭などの行事は盛大に行われ、数十万人の信者が参加します。宗教活動は信仰者の霊的な必要を満たすだけでなく、国民全体の文化的需要にも応えられるものです。現在、いくつかの宗教的儀式は全国民の共通の祭りとなっています。ベトナムは宗教活動が盛んであることから国連ウェーサーカ祭やアジア司教協議会連盟総会などの開催地と選ばれました。
ベトナム・アメリカ関係の発展に向け、宗教状況を正しく評価
ベトナムは多民族、多宗教を抱える国家です。現在、14の宗教に属する39の組織が認められ、その信者は人口の27%を占めるおよそ2430万人にのぼっています。各宗教は党と国家の政策、法律の具体化に大きく貢献するとともに、各レベルの行政府の建設に積極的に参加しています。また、威信のある多くの聖職者は国会議員や各レベルの人民評議会議員、ベトナム祖国戦線に選出されました。これらはベトナムの党と国家の正しい宗教政策を立証しています。
ベトナムは他の国家と同様に宗教・信仰の自由を利用して、国家の建設防衛事業と民族大団結を破壊しようとする個人や組織を処する権限があります。これは国際法、及びベトナムの法律に合致するものです。アメリカ国務省はベトナムの宗教状況や国民の宗教・信仰の自由の確保に取り組んでいるベトナム国家の努力を正確に評価し、ベトナムとアメリカの良好な関係の強化・発展に寄与する必要があるとしています。