旧正月テトにあたり発行された新聞各紙は、ベトナムの指導者らの新年のメッセージや、テトを楽しむ国内外の雰囲気、テトの風習などをたくさん取り上げています。
新聞各紙のテトの特別号
ベトナム共産党機関紙「ニャンザン」はグエン・フー・チョン共産党書記長の新年メッセージを掲載し、「清廉で強固な党づくり」という決意を強調しています。また、党の指導の下、ベトナムは経済社会発展事業及び国際社会への参入事業をさらに促進させる方針であると明らかにしています。そして、ベトナム共産党は、国民の信頼を得ており、ベトナムは国際社会で威信を高めつつあるとしています。
一方、チャン・ダイ・クアン国家主席は、ホーチミン市党委員会の機関紙「サイゴン・ザイフォン」のインタビューに答え、2017年、ベトナムはマクロ経済の安定化、経済再構築の促進、競争力の向上、企業の発展とスタートアップの奨励、社会福祉の保障などを目指すと明らかにしました。そして、クアン主席は、国の独立・主権・領土保全、及び、周辺の平和な環境づくりは重要な任務であると強調しました。
他方、グエン・スアン・フック首相は、ホーチミン共産青年同盟の機関紙「トゥオイチェ」のインタビューに答え、スタートアップ(起業)の課題を強調し、政府は、スタートアップのための環境づくりに取り組んでゆくと明らかにしました。また、2020年をめどにベトナムの企業数を100万社以上にするという目標を出しました。
新聞各紙は、旧正月テトの特別号で、2016年の経済社会状況と2017年の予想を取り上げました。ホーチミン市党委員会の機関紙「サイゴン・ザイフォン」は、「マクロ経済の安定・新しい原動力づくり」と題する記事の中で、2016年、ベトナムのGDP国内総生産の伸び率は6.21%に達し、目標の6.7%を下回ったものの、世界経済と国内経済が多くの困難に直面している背景の中で、その伸び率は高いと言えるとしています。また、マクロ経済が安定されたこと、インフレが抑制されたこと、外貨準備高と外国投資額が過去最高となったことなどは2016年の目立った成果です。2017年、ベトナムは、GDPの伸び率を6.7%に、CPI消費者物価指数を4%以下に、輸出総額の伸び率を6%以上にするという目標を打ち出しているとしています。
ベトナムが今年、APECアジア太平洋経済協力会議の第25回首脳会議と関連会を開催することは、各紙の特別号に大きく取り上げられました。APECの第25回首脳会議は中部ダナン市で11月に開催される予定です。
そして、テトの風習や、春の祭り、国内外のテトムードは主な話題になっています。その中で、ベトナム青年連合会機関紙「タインニエン」は、「テトの宮廷お菓子」と題する記事を掲載し、ベトナムの最後の王朝グエン朝の宮廷でよく使われたテトのお菓子についていろいろな情報を提供しています。そして、新聞「トゥオイチェ」は、中部の古都フエの市民が小正月の満月を楽しむ独特な風習を紹介しています。
2016年、ベトナムスポーツが多くの業績を収めたことも、新聞各紙に大きく取り上げられています。それらの業績は、ベトナムが2016年のオリンピック・パラリンピックで史上初の金メダルを獲得したこと、ベトナム選手が日本で開催されたアジア水泳選手権大会で史上初の金メダルを獲得したこと、そして、ベトナム代表がフットサルのワールドカップとサッカーの20歳以下のワールドカップへの進出権を初めて得たことです。
新聞各紙はテトの特別号で、人民各層の新年の希望について紹介しています。また、春の雰囲気を物語る写真や新年を祝う詩などもたくさん出ています。
特に、2017年は酉年ですので、鶏は新聞各紙の主要な話題です。新聞「トゥオイチェ」によりますと、鶏は昔話の善人を象徴するもので、よい生活を目指す人間の夢を意味しています。そして、テトの祭壇に欠かせないお供え物は茹でた雄鶏で、雄鶏は常に、テトの祭壇の中央に置かれるとしています。