ベトナム東部海域の平和、安定のための協力強化

(VOVWORLD) -シンポジウムに参加した代表は平和、安定したベトナム東部海域づくりのため、紛争を解決し、信頼形成をするための対策を見出すため、積極的に討議を行いました。
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28日、ホーチミン市で、「ベトナム東部海域:地域の安全保障と発展のための協力」をテーマとした国際科学シンポジウムが2日間の議事日程を終え、閉幕しました。ベトナム東部海域に関するシンポジウムが開催されたのは今回が9回目です。シンポジウムに参加した代表は平和、安定したベトナム東部海域づくりのため紛争を解決し、信頼形成をするための対策を見出すため、積極的に討議を行いました。

多くの危機が潜んでいるベトナム東部海域

シンポジウムに参加した代表はいずれも2017年、ベトナム東部海域の情勢には重大な不安が発生していないという見解で一致しました。特に、昨年、オランダ・ハーグにある常設仲裁裁判所がフィリピンが提起した項目に関して、裁定を下してから、この海域の情勢には多くの前向きな変化が見られてきました。最も楽観的な兆しは深刻な紛争が前年と比べて減っているということです。

しかし、歴史と国際法の遵守に関する地域内諸国の立場と認識における相違はベトナム東部海域の平和、安定、安全保障を妨げるものとなります。これと同時に、地域内には非伝統的安全保障の試練が浮上しているということです。アジア太平洋地域の国防費の伸び率が世界で最高となっています。2016年、その伸び率が4.6%増となりました。ベトナムのレ・コン・フン元外務次官は「これは懸念すべきものである」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「各国の国防能力の高まりは自らの利益を守ることに役立ちますが、経済、軍事などの分野における戦略的競争の高まりを除外することはできません。」

戦略的信頼の絶え間ない強化

シンポジウムで、参加者らはベトナム東部海域が無秩序と衝突の波に巻き込まれないように何をすればよいかということを集中的に討議しました。参加者らはこれらの問題を解決するための全面的、かつ、長期的な対策を取る必要があるということを強調しました。

ベトナム東部海域の平和、安定を維持するための対策に関して、ハノイ国家大学人文社会科学大学のファム・クアン・ミン ( Pham Quang Minh) 学長は「最近、ASEAN=東南アジア諸国連合と中国はCOCに関して枠組み合意を達成した。これはこの海域の緊張緩和に大きな前進をもたらす。しかし、COC=海上行動規範が効果的な法的手段になるためにはさらに時間が必要である。これは関連各国の政治的意志にかかっている」と述べました。

一方、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の カーライル・セアー(Carlyle Thayer)教授は「関連各国が戦略的信頼を絶え間なく強化した上で、ベトナム東部海域の平和、安全保障、安定の維持に共通の認識を達成しなければならないと明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「我々は法的対策を見出すことを望んでいます。ASEANと中国は共通の行動規範に関する原則について交渉を行う必要があります。これは長期的未来に向けたものです」

ASEANの積極的なメンバーであり、特に、ベトナム東部海域に直接的な利益を持つベトナムはこれまで、この海域の紛争を解決するため、国際法の尊重を基礎に、平和的措置を堅持しています。この主張は今回のシンポジウムで改めて示されていました。

 


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