(VOVWORLD) - 2日にハノイで開幕した第12期ベトナム共産党中央執行委員会の第8回総会は、「2020年までのベトナム海洋戦略」の展開を加速させるための具体的な措置を打ち出すと期待されています。
2007年2月9日に、第10期ベトナム共産党中央執行委員会の第4回総会は、「2020年までのベトナム海洋戦略」を採択しました。この戦略の10年間の展開は、2日にハノイで開幕した第12期ベトナム共産党中央執行委員会の第8回総会の主な議題の一つとなっています。
この10年、「2020年までのベトナム海洋戦略」を展開するため、国会や政府は多くの政策をとっており、見るべき成果を収めてきましたが、戦略の目標と比べれば、まだ小さいです。
成果は潜在力に 相応しくない
ベトナム海洋戦略では、2020年をめどに、海洋経済は国内総生産GDPの50%を占めるとともに、沿海地帯の一人当たりGDPは全国の一人当たりGDPの2倍になるという目標が打ち出されています。また、地域並みの港湾建設や、沿海地帯の経済区設立、海洋経済分野に携わる大手国営企業の構築、海洋分野における国際協力の拡大なども戦略に記入されています。
ベトナム海洋戦略の展開により、沿海地帯の都市企画や交通インフラ整備が進められたほか、漁業や海上運輸、石油ガス開発もかなり発展しています。これは、国の経済発展だけでなく、海と国の保護を始め、国防の強化にも大きく貢献していると評されています。
しかし、ベトナムの海と島総局のグエン・チュ・ホイ元総局長は、この成果は潜在力に見合うものではないと述べ、次のように語りました。
(テープ)
「沿海地帯をこの戦略の原動力とみなし、沿海地帯をさらに発展させると共に、沿海地帯と島とを結びつける必要があります。島は国の領土の中でもっとも遠いですが、島を活用すれば、国の威信をさらに高めることができると思います。そのため、沿海地帯の都市ネットワークのほか、島の都市ネットワークもつくった方がよいと思います。これは、海上でのベトナムの力と影響力を拡大させる効果があると思います。」
今後の課題
「2020年までのベトナム海洋戦略」の目標を実現させるためには、画期的な対策が必要であると見られています。資源環境省のチャン・ホン・ハー大臣は次のように語りました。
(テープ)
「先ずは体制作り、つまりよりよい法的枠組みを作ることです。第2の課題は科学技術の導入です。第3の課題は、質の高い人材育成で、これは、突破口を開くものであると思います。」
一方、投資戦略研究所のブイ・タット・タン所長は、これから戦略の実現を目指すやり方を変える必要があると述べ、次のように語りました。
(テープ)
「残り期間は短いので、戦略の目標などを変える必要はないと思います。これからやるべきことは方法を変えることです。第12回党大会は、市場経済の方式を導入しながら、社会全体の参加を奨励するなどいろいろな提案を出しましたが、これらの提案の中から、新しいやり方で展開した方がいいと思います。」
2日にハノイで開幕した第12期ベトナム共産党中央執行委員会の第8回総会は、「2020年までのベトナム海洋戦略」の展開を加速させるための具体的な措置を打ち出すと期待されています。