人権に関するUPR=普遍的定期的審査の実施、の一環として国連の報告官とベトナムの関係各機関との対話は重要な活動です。法律、信仰の自由、宗教の自由に関するベトナム政府や関係各機関と国連の報告官との率直的な意見交換は人権問題に関するベトナム政府の善意とオープン性、かつ、協力的な態度を示しています。
UPRは国連加盟諸国の人権保護に関する義務や公約の履行状況を全面的、かつ客観的に評価するため2007年に設定されました。2010年以来、ベトナムは国連人権理事会の理事国として選出された時に行われた公約と、ベトナムが承認したUPRの勧告を厳格に履行してきました。
国連の宗教・信仰自由問題のハイナー・ビーリフェルド(Heiner Bielefeldt) 報告官はベトナムの宗教・信仰状況を視察するため、今年7月21日から31日にかけてベトナムを訪問しました。ベトナム訪問期間中、同報告官はベトナムの中央と各地方の関係各機関と会合を行った他、いくつかの宗教施設を訪れました。このベトナム訪問後に行われた記者会見で、ハイナー・ビーリフェルド報告官は「ベトナムでの宗教の自由が改善され、各宗教の聖職者および信者には宗教活動に有利な条件が整えられていることを認めた」と明らかにしました。
これまで、ベトナムはほとんどの国際人権規約を批准しており、その中で、思想、宗教、信仰の自由権を規定する民事と政治権に関する国際条約があります。また、ハイナー・ビーリフェルド報告官はベトナムの2013年の憲法について触れ、その中で、「この憲法の第2章は人権、市民の基本的な権利と義務を、そして、第24条は市民の宗教と信仰の自由権を明確に規定した」と述べました。
ベトナムの憲法には「すべての人々は信仰と宗教の自由権がある。すべての宗教は法の前に平等である、政府は信仰と宗教の自由権を尊重、保護する。信仰と宗教の自由権を侵害する権利があるものはない。または、宗教や信仰を利用して、法律に違反する行為を行う権限があるものもない」ことが明記されました。
その他、ベトナムは人権問題において、多くの進歩を遂げてきました。ベトナムは障碍者権利条約を締約した他、障碍者法を採択し、国際組織犯罪防止条約、女性や子供を始め、人身売買議定書、雇用政策に関するILO=国際労働機関の122号の条約などを批准しました。国際社会の場で、ベトナムはAICHR=アセアン政府間人権委員会、女性と子供の権利の保護促進に関するアセアン委員会の設立に積極的に参加しました。また、ベトナムは人身売買に関するメコン川流域の閣僚の構想に参加する他、国連の各組織と緊密に協力して、各国との多くの協力合意書に調印しました。その他、ベトナムは人権問題に関して、アメリカ、EU=欧州連合、オーストラリア、ノルウェー、スイスなど各国との2国間対話体制を構築しました。これにより、昨年行われた2014年~2016年期国連人権理事会の新たな14カ国の投票でベトナムは最多の票で投票されました。
UPR の実施の一環として、2010年以来、行われた国連の報告官のベトナム訪問の際に、ベトナムの関係各機関と国連の報告官はベトナムの法律、人権と宗教の自由権の保護について意見を交換しました。ベトナムの関係各機関は常に国連の報告官のベトナムでの視察に有利な条件を作り出しました。そして、国連の報告官と率直に対話を行うことはベトナムの人権保護の促進に対するベトナムの善意と協力的な態度を示すことでしょう。