信仰・宗教法案:信仰・宗教の自由の保障における新しい歩み

ハノイで開催中の第14期国会常務委員会第3回会議では信仰・宗教法案に対する意見集約が行われてます。まもなく開催される国会にはこの法案が提出される予定です。これはベトナムにおける信仰・宗教活動により幅広い枠組みを作り出すとされています。

多宗教国家であるベトナムの人口の95%は信仰・宗教があります。そのうち、14の宗教に属する40の組織があり、そのうち、およそ2千万人の信者がいます。全国ではおよそ2万8千ヶ所の宗教施設が建設されました。

信仰・宗教法案:信仰・宗教の自由の保障における新しい歩み - ảnh 1
(写真:TTXVN)

宗教に関する多様な絵画

各宗教の信者は家庭、又は、宗教施設で宗教生活を行っています。各宗教の大部分は憲章や規約に沿って、そして、法律の枠内で活動を行っています。各宗教は互いに団結しています。中央と各地方の行政府は正月や行事などに各宗教の聖職や信者に祝辞を述べています。

ベトナムがドイモイ(刷新)事業を実施してから、多くの宗派や宗教の法人資格が認められたことで、宗教活動がより活発に行われています。現在、全国で仏教は4ヶ所の学院、8ヶ所の短期大学、32ヶ所の高等学校があり、プロテスタント教は2ヶ所の学院がある他、宗教出版社も設立され、毎年数多くの印刷物を発行しています。各宗教の組織と信者は地域と世界規模の会議やフォーラムに積極的に参加しています。また、宗教活動に関する多くの国際会議がベトナムで開催されました。

信仰・宗教に関する考え方の刷新

第9期ベトナム共産党中央委員会の決議は「信仰・宗教は一部人民の精神的需要である。各宗教の信者は民族大団結の一部である。ベトナム党と政府は市民の信仰の自由を保障、尊重するという終始一貫した政策を実施している。政府は法律の枠内で、宗教活動を行う権利を保障すると共に、信仰・宗教の自由権に違反する行為を禁止する」と明らかにしました。1986年以来、信仰・宗教に関する100件の文書が発行されました。これらの文書は信仰・宗教に関する刷新政策を示し、ベトナムが締約している国際法に合致しています。信仰・宗教に関する自由権が2013年憲法の第24条にはっきり示されています。その中で、この条は「人々はある宗教に従事するか否かなど信仰・宗教の自由がある。各宗教は法の前に平等である。国家は信仰・宗教の自由権を尊重、保障する。信仰・宗教の自由権を侵害したり、信仰・宗教を利用して、法律違反行為をしてはいけない」ということが明らかにされました。


信仰・宗教法案:信仰・宗教の自由の保障における新しい歩み - ảnh 2
(写真:tienphong.vn)

信仰・宗教の自由に関する新たな歩み

信仰・宗教に関する政策の完備に向けて、ベトナムは信仰・宗教法案を作成中で、今年10月行われる国会に提出する予定です。この法案は信仰・宗教の自由権をもつ主体を「市民」から「人々」に広め、つまり、信仰・宗教の自由権は市民権ではなく、人権であるということを示しています。宗教活動を行うのは個人が信念を表すため、集めるという需要に応えるものであり、宗教組織を結成する条件とされていません。このように、信仰・宗教の自由権は一定の組織に依拠しないまま実現されるようになります。ある宗教組織の認定、宗教組織の設立、分離、合併などこれまで首相により決定されましたが、これからその権限が宗教管理機関に移転されます。この法案はベトナムに在住している外国人が宗教活動に参加する条件を作り出しています。

信仰・宗教に関する政策の改正はベトナムにおける信仰・宗教活動に基本的な変化をもたらしています。宗教活動が安定的に行われ、各宗教の聖職や信者が国の建設発展事業に積極的に参加しています。

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