(VOVWORLD) - 去る9日と10日、ユネスコ国連教育科学文化機関の新事務局長選が、フランスの首都パリ本部で始まりました。
パリにあるユネスコ本部 |
候補者8名のうち、ベトナム外務大臣補佐官を努めるファム・サイン・チャウ大使がいます。ベトナムがユネスコの事務局長に立候補したのは今回が初めてであり、ベトナムの国際的責任を示しています。
事務局長選は、58カ国の執行委員会が秘密投票で行われました。投票は過半数を獲得する候補が出るまで繰り返され、13日までに決まらない場合、上位候補による決選投票を行う予定です。
厳しい選出
ユネスコは、1945年11月15日に創立されて以来、10回にわたって事務局長選を行ってきました。今回は11回目であり、2017年11月~2021年11月までの4ヵ年任期の事務局長を選出します。候補者は、演説と質疑応答、及び投票を経過しなければなりません。8名の候補者の演説会は、去る4月の第201回UNESCO執行委員会で行われました。今回の演説会では、候補者らが自らの行動計画を発表した後、執行委員会の質疑に応答しました。その様子は、ユネスコのウエブサイトを通じて公開され、生中継されました。
8名の候補者は、自国政府の重要な職を務めており、ユネスコの諸活動に参加し、この組織の専門的分野に詳しい人たちです。ベトナムの候補者ファム・サイン・チャウ氏は、ベトナムのユネスコ大使やユネスコ国内委員会委員長を歴任し、現在ではベトナムのユネスコ問題担当首相特使を務めています。
ユネスコ事務局長に始めて立候補したベトナム
1976年7月にユネスコに加盟して以来、ベトナムは、ユネスコの諸活動に積極的に参加してきました。ベトナムがユネスコ事務局長に立候補を決定したことは、その過程の中に入っています。1978年~1983年期のユネスコ執行委員会に選出された際に、ベトナムは1982年にユネスコ駐在代表事務所を開設しました。その一方で、ベトナムは、無形文化遺産保護条約、文化多様性条約を批准した他、ユネスコの大規模なイベントを主催してきました。また、これまでに、ベトナムは専門的分野に関する複数の構想を提示してきました。例えば、非識字の解消、コミュニティ学習センターに関する構想などです。さらに、ベトナムは、4回も執行評議会のメンバーとして選出され、現在も2013年~2017年期の世界遺産委員会のメンバーとして活躍しています。その一方で、ユネスコは、ベトナムとの関係を重視しています。ユネスコの歴代事務局長は8回にわたりベトナムを訪問してきました。
ユネスコのイリナ・ボコバ事務局長は「ベトナムは、ユネスコの各プログラムや活動を成功させた国々の一つであり、お手本になっている」と強調しました。
ユネスコの諸活動に積極的に参加したお陰で、ベトナムの国土がPRされた他、文化遺産保存プロジェクトなどは支援されるようになりました。これまでに、ベトナムにおける8つの世界自然文化遺産、11つの世界無形文化遺産、6つの記憶遺産、9つの世界生物圏保護区、及び1つの世界地質学公園がユネスコにより認定されました。
多国組織における積極的な役割を示すベトナム
ユネスコ事務局長に始めて立候補したものの、去る4月に行われた演説会で、ベトナムの候補者チャウ大使は、英語とフランス語で、ユネスコのビジョンに関する3つのメッセージを発表し、高評されました。