2013年のASEAN外相会議
5日、ファム・ビン・ミン副首相兼外相率いる代表団はミャンマーの首都ネピドーで開催される第47回ASEAN外相会議と関連会議に臨みます。ベトナムの代表団はこれらの会議に参加する際に、ASEANの協力、団結の強化や地域の平和、安全保障に対するASEANの主導的役割と責任の向上、ASEANと対話諸国との協力関係の促進、また、ベトナムの役割と地位の向上を狙っています。
今回のASEAN外相会議には27カ国の外相らが参加し、ASEAN内、及びASEANと対話諸国との協力を点検した上で、今後の協力の強化措置や地域と国際問題などについて討議が行われます。
最近、国際情勢が複雑に推移し、気候変動や金融危機などによる影響が深刻化し、特にベトナム東部海域の緊張情勢が激化してきた背景の中で、ASEAN加盟諸国は平和で安定した環境づくりを願っています。ベトナムのファム・クアン・ビン外務次官は次のように語りました。
(テープ)
「COC=海上行動規範の作成に向け、協議を促進すると同時にDOC=海上行動宣言を精力的に実施します。ASEANがCOCの交渉を開始する決意により、中国は厳格な態度で交渉に参加しなければなりません。」
1年前に、ブルネイで開催された第46回ASEAN外相会議以降、ASEAN内の協力、またASEANとそれぞれの対話国との関係は実質的な発展を遂げてきました。
ASEANと中国との関係は新たな分野に拡大され、2011年から2015年期のASEAN・中国行動計画は積極的に進められてきました。日本との関係に関して、双方は締結した合意書の実施に力を入れるとともに、自然災害管理への衛星技術の適用、外交、医療、気候変動への対応を目指すグリーン成長、都会化管理分野で協力を強化しています。
また、今後3年間におけるメコン川流域諸国のインフラ整備に対する日本の5千億円相当のODA供与プロジェクトは効果的に実施されています。他方、インドとの関係について双方は陸路、空路、海路の連結プロジェクトを進めています。こうした中、ASEANと韓国は2015年をめどに双方の商取引額を1500億ドルに引き上げるという目標の現実化に取り組んでいます。
一方、ASEANとアメリカとの対話が戦略的なものに格上げされています。アメリカは政治、安全保障、経済、草の根外交の分野でASEANとの協力を促進すると同時にASEAN共同体作りを支援すると公約しました。アメリカはASEANをアジア太平洋地域の中心、また、リバランス政策の中核と見なしています。
去る4月、行われたアメリカ・ASEAN国防相会議でアメリカのチャック・ヘーゲル国防長官は次のように述べました。
(テープ)
「ASEANとアメリカとの友好関係はアジア太平洋地域の新たな安全保障分野での試練の解決に際し、有利な条件を作り出すと思います。ASEAN・アメリカ国防協力は双方の関係発展における重要な節目となり、ASEANの高まっている役割を示します。」
今後、ベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相は各会議に参加した際、ASEANの団結の強化措置や優先課題を提案する予定です。
ベトナム外務省のレ・ハイ・ビン報道官は次のように明らかにしています。
(テープ)
「ベトナムの代表団はこれらの会議でASEANの団結やASEANと対話諸国との関係の強化、ASEANの役割の向上、地域の平和、安全保障の確保に向け、適切な意見を提出します。また、ベトナムは地域の平和、安定、航行の安全保障の維持に寄与できるような建設的かつ前向きな構想を歓迎します。」
ASEANは「一つの共同体、一つの運命」という目標を掲げていますが、政治・安全保障、経済・文化社会の3つを柱とする強固なASEAN共同体の構築を進めなければなりません。ベトナムは加盟諸国と力を合わせ、連結の強化、発展格差の是正、緊密な連携の強化、持続可能な発展の確保に取り組んでいます。