国際社会への参入を強化するASEAN


2015年12月31日、ASEAN=東南アジア諸国連合共同体が正式に設立されます。これまで、ASEAN加盟諸国は、ASEAN共同体の誕生のための準備作業を基本的に完了し、人材の質的向上や、インフラ整備、連携の強化、発展格差の是正、商品流通への条件作り、法的枠組の整備などを積極的に進めてきました。これらはASEAN共同体の重要な土台となっています。


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2015年11月22日、マレーシアの首都クアラルンプールで、ASEAN諸国の首脳らはASEAN共同体の設立に関する宣言を採択しました。この日は、ASEANの新しい発展段階を切り開く歴史的な日とみられています。これにより、ASEANはEU=欧州連合とAU=アフリカ連合に次ぎ、世界第3の地域組織となります。ASEANの総括的な目標は、ASEAN憲章を基礎に、世界の各国や、地域、組織との協力を強化する加盟諸国の政府間協力組織を形成することです。


チャンスと試練

ASEAN共同体の誕生は加盟諸国に多くのチャンスをもたらすと評されています。先ず、経済分野でのチャンスです。ASEAN共同体の誕生に伴い、6億人の人口を持つ共同市場が形成されますが、内容は、商品や、サービス、資本、労働力が自由に流通されます。

アジア地域で、インドや、中国など新興国が影響力を高める背景の中で、ASEAN諸国は、地域と世界における新しい試練に対応するために、連携を強化し、競争力を向上させる方針です。現在、ASEANは最も高額のFDI=外国直接投資を誘致する地域となっていますが、ASEAN共同体の誕生と投資環境の改善、国際社会への参入の強化などにより、今後も魅力的な投資先であり続けるとされています。

しかし、ASEANが多くの問題を抱えていることも指摘されています。先ず、加盟諸国間の発展格差です。アナリストらによりますと、この問題はASEAN内の自由貿易圏の形成と域外の各パートナーとの公約の履行にマイナス影響を与える可能性があります。また、それぞれの加盟国の国益と共同体全体の利益の調和も重要な課題としています。


試練対応姿勢

ASEAN共同体がもたらす大きな試練を認識した上で、ASEAN諸国はそれぞれの国の状況にしたがって多くの具体的な対応措置を展開しています。

例えば、シンガポールがASEANの科学研究センターとしての役割を発揮させることや、ミャンマーとフィリピンが中小企業への支援を強化すること、タイがサービス業や、貿易、投資のインフラ整備、国家ワンストップ制度、「ASEAN窓口」という制度の実施などを進めること、カンボジアがオープンな貿易政策を実施し、外国人投資家の株式の保有規制を緩和させること、ベトナムが電子通関制度や、行政改革、行政手続の簡素化、ASEAN基準による投資法、貿易法、企業法の改正を進めることなどです。

加盟諸国とともに、ASEAN事務局も「ASEAN経済共同体に関する計画」を立案しました。この計画は、45の内容があり、貿易自由化や、投資への有利な条件づくり、先端的経済部門の発展などを網羅しています。これらの措置や、ASEAN加盟諸国全体の決意、努力により、ASEAN共同体が効果的に運営され、地域と全世界の発展、繁栄に貢献すると期待されています。


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