現在ハノイで開催中の第13期国会第10回会議では、報道法改正案が初めて討議されました。これは、2013年憲法の具体化や、報道界の発展強化と健全化などを目指すもので、報道界だけでなく、全国民の注目を集めています。
ベトナムは845の報道機関がある
報道法は1989年発効され、1999年に改正されましたが、現状から見れば、多くの問題を抱えていると指摘されています。現在、報道法の改正は情報通信省に委託されています。その改正案は6章59条を含め、その中の30条が新規制定され、29条が改正・補充されています。
2013年憲法の具体化
改正案の新しい点は、2013年憲法に基づき、報道の自由権や言論の自由権に関する1章が新規制定されることです。これにより、報道法改正案には報道自由権の詳細を定めています。具体的には、国民が法律の規定に従って国家の保護のもとで報道活動に参加する権利があることや、国家が禁じていない情報にアプローチする権利があることなどが規定されています。
中部沿海ビントゥアン省選出のハー・ミン・フエ議員は次のように明らかにしています。
(テープ)
「世論は、改正・新規制定される法律が2013年憲法を具体化させるかどうかに関心を寄せています。報道法改正案の場合にとって、報道自由権と言論自由権は焦点となっています。議員の大多数は、国民が報道活動に参加する権利を持つという規定に賛同しています。」
実際、報道自由権は人間の基本的な権利の1つであり、1948年世界人権宣言と1966年国際人権規約に盛り込まれています。ベトナムの2013年憲法も「人間と公民の権利は憲法と法律に認定・尊重・保護される」と規定しています。
これに関し、北部山岳地帯タイグエン省選出のドー・マイン・フン議員は次のような見解を示しています。
(テープ)
「2013年憲法は報道自由権と言論自由権を再確認しましたが、報道法改正案に具体化されます。報道自由権と言論自由権は法律の規定に従って行使すべきで、これを乱用して、民族や、国家、他人に損失を与えるべきでないと強調したいのです。」
報道活動に対する党と国家の指導の強化
実際、ベトナム共産党は常に報道界を重要視し、これを国の革命事業の重要な力としてみなしています。報道活動に対する党と政府の指導は、報道界の発展や、健全化に寄与しています。また、これにより、報道界は自らの任務を果たすようになると評されています。
これに関し、グエン・バク・ソン情報通信相は次のように明らかにしています。
(テープ)
「マスメディアは党と政府の重要な宣伝手段です。そのため、報道活動は、党と国家の全面的な指導のもとに行われる必要があります。報道法は、報道活動に対する党の指導や、国家の管理を確保しなければなりません。」
報道法は、ベトナムの法律システムにおいて、重要な役割を果たし、国の政治、経済、社会、外交、文化活動などに直接影響を及ぼすものです。こうした中、今回の報道法の改正は、国の発展事業と報道界の発展事業の要求に応えることができると期待されています。