戦争後遺症の克服・ベトナムとアメリカ関係の重要な課題

(VOVWORLD) - この間、ベトナムとアメリカの国交正常化25周年を記念する様々な活動が行われています。国交正常化は対立した両国に相互理解を深め、友好協力関係を強化するチャンスをもたらしました。

ベトナムとアメリカの関係発展において、戦争後遺症の克服は重要な役割を果たし、両国政府の責任であるだけでなく、外交官、政治家、ひいては一般人の努力によって推進されています。

双方関係の架け橋

アメリカ人のマシュー・リエナンさんはベトナム戦争に参戦の経験がある退役軍人です。1995年、両国の関係正常化が図られてから、彼はかつての戦場に戻りたいという気持ちが湧いてきました。2015年、彼はダナン市を訪れ、枯葉剤被害者協会の子供養護センターでいい体験をしました。彼の話を聞いてみましょう。

(テープ)

「ベトナム戦争中に、ダナンに滞在したことがあるので、この都市をもう一度訪れたいのです。枯葉剤により被害を受けた子供擁護センターを訪れたことができました。ベトナム人と接触した時、温かい気持ちを実感しました。帰国便に乗った時、飛行機の窓から都市を眺め、もう一度戻ると思っていました。」

この4年連続で、彼は年に2回ベトナム入りをし、ダナン市の枯葉剤被害者協会の各養護施設でボランティア活動に参加しています。彼はできるだけ、ボランティア活動への参加を続けたい意向を表明しました。

他方、アメリカのベトナム戦争退役軍人記念基金ベトナム事務所を務めたグエン・トゥ・タオさんはこの15年間、アメリカの議会議員らに働きかけ、2003年、地雷・不発弾の除去に関する合意書が締結されたことや2008年、ベトナムの枯葉剤による被害の克服作業に対するアメリカ政府と議会の承認を得たことに貢献しました。タオさんはこれらの成果は戦争後遺症の克服におけるベトナムとアメリカの長期的な協力に基盤を作り出したとの見解を示し、次のように語りました。

(テープ)

2007年5月、アメリカのブッシュ大統領は3百万ドル相当のベトナムでのダイオキシン問題援助の予算を承認しました。3百万ドルとは枯葉剤問題やベトナム・アメリカの協力と比べ、極めて少ない金額ですが、その意味は大きいです。これはベトナムに対するアメリカの政策を変化させた上で、アメリカ政府が人道問題に対する責任を認めたことを立証しました。」

これまで、アメリカはベトナムに対し、地雷・不発弾の除去や除去作業に携わる部隊の訓練、地雷・不発弾の被害者とその家族の援助などに1億5百万ドルあまりを拠出するとともに、地雷・不発弾への人々の認識向上を支援してきました。

また、2018年、アメリカはダナン空港の汚染土壌10万立方メートルを6年かけて処理したのち、1億1千万ドルの経費を投入し、ベトナム側に引き渡しました。昨年、アメリカはビエンホア空港の汚染土壌の処理プロジェクトの実施に踏み切りました。浄化される汚染土壌はダナン空港の4倍となっています。

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こうした中、同年、アメリカのダニエル・クリステンブリンク大使は駐ベトナムアメリカの初めての大使としてベトナムの烈士1万人あまりが眠っている中部クアンチ省、チュオンソン国立共同墓地を訪れました。これは過去を尊重しながらも、未来を志向するという精神を示しています。


双方関係の重要な柱

ベトナムとアメリカは戦争後遺症の克服で緊密に協力してきました。双方の同分野での協力は両国関係の緊密化に役立っているとしています。2019年、USAID=アメリカ国際開発庁のボニーグリック副長官はベトナムを訪問した際、戦争後遺症の克服での協力はベトナムとアメリカの全面的パートナーシップの重要な柱の一つであると評価しました。

一方、アメリカ上院予算委員会のティモシー・リーザ高級顧問によりますと、アメリカは戦争中、行方不明となったベトナム軍人の捜索プロジェクトにおよそ250万ドルを支援する計画があるとしています。

ベトナムとアメリカは戦争後遺症の克服で力を合わせることは戦争の傷跡を癒し、安全保障、教育、科学技術、経済、貿易分野などでの大きな協力チャンスを切り開き、両国の全面的パートナーシップの発展に貢献するでしょう。

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