(VOVWORLD) - 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によりベトナム経済は多くの困難に直面していますが、2020年の6月末までに新型コロナウイルスが収束すれば、2021年のベトナムのGDP成長率は6.8%に改善し、中・長期的に急成長を遂げていく見通しです。
新型コロナウイルス感染症により、ベトナム経済が様々な困難に直面しています。また、ベトナムの主要な貿易相手国や投資国も深刻な影響を受けています。しかし、経済専門家や信用格付け機関などはベトナム経済の展望を楽観視し、この感染症が早期に制圧されれば、ベトナム経済が再び成長軌道に乗るであろうとしています。
楽観的な予測
4月初めにADB=アジア開発銀行が発表した年次の主要経済報告書である「アジア経済の見通し2020年版」によりますと、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によりベトナム経済は多くの困難に直面していますが、2020年の6月末までに新型コロナウイルスが収束すれば、2021年のベトナムのGDP成長率は6.8%に改善し、中・長期的に急成長を遂げていく見通しです。ADBベトナム事務所のエリック・シドウィック所長は経済活動が停滞し、リスクが潜んでいるものの、ベトナムの経済成長率はアジア地域で高い水準であるとの見解を示しました。
一方、金融商品または企業・政府などについて、その信用状態に関する独自の格付け情報を提供する、民間企業であるフィッチ・レーティングスは2021年に国内外の需要や、輸出、観光、外国直接投資が回復すれば、ベトナムのGDP成長率は7%を超えるであろうとしています。ベトナムの経済専門家グエン・ミン・フオンさんは次のように語りました。
(テープ)
「フィッチ・レーティングスが発表した格付けをみて、ベトナムは国際社会で威信を維持していることが分かりました。これはこの数年、我々はかなりの成長を遂げてきたことによる成果だと思います。特に予算バランスの確保や外貨の準備高、銀行システムの再構築、マクロ経済の安定化に関して改善を見せました。さらに、民間経済セクターの発展や外国投資誘致を推進する可能性があります。新型コロナウイルスの収束後、経済の底力が活用され、フィッチ・レーティングスの予測通りにGDP成長率が7%を超えるよう希望します。」
成長を回復するための要素
ADBの予測によりますと、中流層や民間経済セクターのダイナミックな発展はベトナム経済成長の原動力となるとしています。一方、WB=世界銀行ベトナム事務所のジャック・モリセット経済専門家はベトナムは国民を医療危機的状況から守り、国営企業を支援するとともに、予算を良好に管理しているなど、適切な措置を講じていると評価しました。こうした中、ベトナムの経済専門家は政府の適宜な政策と各省庁、部門、地方、企業の努力は多くの分野に回復のチャンスをもたらすとの見解を示しました。新型コロナウイルス収束後の経済回復に関するいくつかのシナリオが出されました。ハノイ市の中小企業協会のマク・クオク・アイン副会長兼事務局長は次のように語りました。
(テープ)
「ハノイ市をはじめ、国内各地の企業界はグエン・スアン・フック首相が打ち出した生産経営の困難解決に関する指示11号を含むあらゆる政策を活用しています。企業各社は安全な経営を行う傍ら、伝統的なビジネス・モデルからデジタル・ビジネス・モデルをシフトしています。現在、主力の分野や重点的な分野に投資を行っている企業に対して、優遇税制が適用されます。」
ビジネス環境が改善されていることやベトナムが締結した二国間、及び多国間自由貿易協定は新型コロナウイルス収束後のベトナムの回復に必至の要素となっています。先ごろ、行われた政府と各地方とのテレビ会議でグエン・スアン・フック首相は「ベトナム民族は決意とコンセンサスを強化し、いかなる困難にもくじけない」と強調しました。ベトナムは新型コロナウイルスによる困難を乗り越え、経済成長を回復すると期待されています。